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NEWS & 主張
『和歌山の部落史』を発行
全7巻、10年かけて調査・研究
「解放新聞」(2015.06.22-2720)
 【和歌山】『和歌山の部落史』全7巻が発行された。5月18日に和歌山市内の県勤労福祉会館でひらかれた和歌山人権研究所総会の第2部で、「和歌山の部落史編纂から見えてきたことー近世を中心として」をテーマに、寺木伸明(桃山学院大学名誉教授)さんが記念講演。110人が話に聞きいった。
  2005年にはじまった編纂事業は、和歌山の部落史編纂委員会(委員長・蘭田香融=関西大学名誉教授)が10年間をかけて調査・研究をおこない、全7巻(各1万8000円)を明石書店から発行したもの。とくに「紀州藩牢番頭家文書」の関係史料や、「高野山文書」などをおさめた点が注目される。
  寺木さんは、和歌山県全域を対象に、前近代から近現代までをあつかった編纂物として最初のものであり、都府県単位の部落史編纂としては京都府(全10巻)、大阪府(全10巻)と並ぶ、と紹介した。
  異体的な事例では、「紀州領内だけに限られると思われていた」警察役が、領内をこえる広域捜査をしていたことや、近世では田畑を所持し、入会権も有していた事例を確認したケースもあるという。今後の課題として、部落の成立過程の解明などが残った、と寺木さんは強調した。

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