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10月末締め切りの第42回部落解放文学賞に応募しよう

「解放新聞」(2015.09.07-2729)

 ことし41回となった部落解放文学賞は、応募総数152点のなかから入選7編、佳作7編を選考し、7月25日、ホテル大阪ベイタワーで表彰式をおこなった。1人ひとり表彰状を授与された受賞者は、日頃の創作の労苦から解き放たれて喜び合い、その後の交流会では受賞者と選者がテーブルを囲んで、大いに語り合った。反差別・人権確立の立場で創作に励む人たちが、ことしも本文学賞に集い、さらに創作を続けることを誓い合えたことについて、審査の先生方、応募者の皆さんのご協力に心から感謝したい。
  また、今回の選考にあたっては、1974年の文学賞設立当初から児童文学部門の選者として、文学賞を導いていただいた児童文学作家の今江祥智さんが逝去されるという不幸に見舞われることとなった。41年もの長きにわたる今江先生のご尽力に心から感謝し、ご冥福をお祈りするとともに、そのご労苦にこたえるために、文学賞のいっそうの充実をめざしていきたい。

 交流会では選者が語った。そのなかで詩部門の選者である金時鐘さんの言葉にもあったが、反差別・人権を基調としたさまざまな文学賞が退潮を余儀なくされているなかで、部落解放文学賞の存在意義は大きい。戦争法案をめぐる攻防が正念場をむかえるなか、安倍政権やヘイトスピーカーたちが空疎な妄言を弄して排外主義的な憎悪をかきたてようとしているが、文学賞には、今回も被差別共闘のプラットホームさながらにさまざまな差別・抑圧と闘う多くの作品が寄せられた。
  生活や運動の苦しみや喜び、思いや願いを語り合い、伝え合うことは部落解放運動の基本である。文字を習いながら、文字を知らないことの辛さを綴り、文字を覚えることのうれしさを綴る。そうした作業をとおして、文字を獲得できなかったみずからの歴史を見つめることができるようになり、書き手と読み手の闇に「被差別」と「反差別」が共有されていく。「生徒」と「先生」が、ともに学び合う識字教室の姿である。

 厳しい状況のなかで識字教室や夜間中学、日本語教室などが、営営ととりくまれているが、そうしたスタイルが在日コリアンやニューカマーの人びと、不登校の子どもたちをも対象に定着してきている。これらが所在する地方自治体では財政難を理由として、さまざまな補助や支援が縮小されつつあるが、これに抗してわたしたちはこの灯をなんとしても守らねばならない。
  被差別民衆には、文化を支えてきた歴史から、芸能や芸術、生活文化にかかわる豊かな財産がある。これらをふくめ「伝えたい思い」を大切にした文化運動を全国各地で活性化させたい。厳しい時代にこそ、理論や方針に加えて闘う人びとの「共感」が大切である。ことし10月末に締め切りの第42回部落解放文学賞に多数の応募をまっている。

第42回部落解放文学賞作品募集 応募締切日 2015年10月31日
識 字 部 門
記録・表現部門
詩 部 門
小 説 部 門
児童文学部門
戯 曲 部 門
評 論 部 門

  【応募資格】 いっさい問いません(集団による制作もうけつけます)。原則として原稿用紙を使い、1枚目に応募部門・題名・名前・住所・生年月日・電話番号(お持ちの方はFAX番号、メールアドレスも)。名前には必ずフリガナを。パソコン入力などでの応募は、罫線のない用紙に1枚1000字程度でお願いします。
  【枚数】400字詰め原稿用紙150枚以内。評論は50枚前後。識字は1人1編。詩は1人3編以内。
  【応募は未発表作品】 この1年間の、同人誌、サークル誌、各地の部落史研究所・研究会の紀要への発表作品はうけつけますが、書店の販売ルートにのった単行本などはうけつけません。昨年までの応募作品を書き直して応募されることも期待します。作品は返却しませんので、必要な方はコピーしておいてください。
  【賞品】各部門ごとに、入選作、佳作をおきます。入選作には賞金20万円。佳作には副賞。
  【発表・掲載】 「解放新聞」に入選発表。雑誌『部落解放』増刊号(部落解放文学賞特集号)に入選作など掲載。
 【送り先・問い合わせ先】〒552―0001大阪市湊区波除4・1・37 HRCビル3階部落解放同盟中央本部大阪事務所 部落解放文学賞実行委員会 電話06・6581・8720


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