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NEWS & 主張

アイヌ民族の伝統文化―
新しい鮭を迎えるカムイノミが

「解放新聞」(2015.11.09-2738)
 【栃木支局】第34回アシリチェップ・カムイノミ(新しい鮭を迎える儀式)が北海道札幌市の豊平川河川敷でおこなわれた。9月12日前夜祭も13日の本祭も、雨のなかでの決行となった。市内の生活館でおこなわれた前夜祭には60人が集まった。午後6時からカムイノミがはじまり、翌日の本祭がとどこおりなくすすむよう神神に祈った。
  翌13日の本祭は、気温15度の寒い雨のため例年の場所とは異なる南七条大橋の下でおこなわれた。100人が集まり、炉縁にはアイヌの指導者たち30人が座り、地元札幌のアイヌの祭主がアぺフチカムイ(火の神)に祈りをささげた。
  儀式のあと、各地のアイヌの参加者が伝統舞踊と歌を披露した。剣の舞、弓の舞に続いてツルの舞が演じられた。踊りの輪のなかで赤いアイヌ模様の上着を羽織った2歳くらいの女の子が大人にまじってリズミカルに踊り、会場をわかせた。
  札幌市長も参加していたが、先住民族の伝統文化の継承をいいながらアイヌの伝統儀式ができない行政の管理規程が存在している。河川敷の使用許可、参加者にふるまうアイヌ料理には保健所の許可、前夜祭で生活館の炉を使うと会館の使用規定に抵触するなど、市との交渉が必要だった。先住民族の権利を確保していくことの困難さがつきまとっている。
  なお北海道博物館(侵略の象徴・北海道開拓記念館を名称変更)の特別展「夷酋列像・蠣崎波響作」での、アイヌの指導者12人の威風望塁とした姿は強く印象に残った。

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