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NEWS & 主張
70年代の部落を撮る
写真家曺さん死去
「解放新聞」(2016.06.27-2768)
 被差別部落の変わりゆく姿、そのなかで生き抜く部落民の姿などを撮影・記録し、「解放新聞」に掲載してきた写真家の曺鉱(チョ・チヒョン)さんが4月1日亡くなった。朝鮮半島の済州島の生まれ。77歳だった。
  朝鮮半島が植民地支配から解放され、済州島での蜂起-弾圧のときに、叔母とともに密航船で日本に。曺さんが10歳のときのことだった。父親が単身出稼ぎで生活していた大阪の猪飼野で暮らした。1970年代に全国の部落を本紙前編集長の土方鐵とともにまわり、ときあたかも「同和対策事業特別措置法」の施行により、環境改善事業を中心にしながら変貌していく部落の姿を記録した。また、部落のなかでの生業や伝統産業の技術、そのなかで生きる人びとの姿も歴史にとどめた。
  在日朝鮮人の集住地である猪飼野の60年代の記録、朝鮮半島と日本列島との古代からの関係を追った写真集も刊行した。
  『被差別部落Ⅰ』『被差別部落Ⅱ』(三一書房)、写真集として『部落』(筑摩書房)、『猪飼野』(新幹社)、『天日槍と渡来人の足跡』(海鳥社)がある。

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