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NEWS & 主張

主張

 

教宣・機関紙活動を強化し、
新しい時代の部落解放運動を切り拓こう

「解放新聞」(2017.08.14-2823)

 本紙の笠松明広・編集長が昨年11月30日、死去した。65歳だった。

 第47回全国大会(1990年)から編集長として26年半、教宣活動の先頭に立ち、狭山闘争をはじめ、部落差別にたいする怒りと、部落解放運動の現状を発信し、闘いへの結集をよびかけてきた。

 昨年は、狭山第3次再審請求から10年目。狭山事件再審弁護団が「下山鑑定」をはじめとした新証拠で、石川一雄さんの無実を徹底的に明らかにした年であった。

 部落解放・人権政策確立の闘いでは、憲政史上初めて「部落差別解消」という用語を使った画期的な法律「部落差別解消推進法」が制定・施行された。部落差別の存在を国が認め、部落差別のない社会の実現に向けたとりくみがスタートした年であった。

 さらに、近年深刻化しているインターネット上での差別事件では、鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版出版事件について裁判闘争を開始した年でもあった。

 こうした新しい闘いを構築していく時代のなかで、新たな部落解放運動の実践が求められるとともに、それらにともなった課題もみえはじめている。部落解放運動の全国的な連帯を強め、全国各地で部落解放に立ちあがる仲間を鼓舞し、また、運動を財政的にも支える機関紙・教宣活動-本紙のはたす役割はひじょうに大きい。

 第74回全国大会の参加代議員の性別と年齢の内訳をみると、出席代議員は2〜80歳代で、そのうち3分の2が男性。年齢は61〜70歳が一番多く、全体のほぼ5分の2で、全国各地の部落解放運動をこの世代が支えている状況が明らかになった。同時にそれぞれの地元ではさまざまな闘いの場で女性や青年が活躍している。青年部と女性部が連帯し、子どもや高齢者などとの活動を展開する地域運動が部落解放運動の周辺地域との橋渡しとしての機能をはたし、人権のまちづくり運動をおしすすめる支部も多く存在する。女性や青年の独自のアンテナを活用した部落解放運動が今後これまで以上に大切な役割を担うことは明らかだ。

 さまざまな世代がつながりあい、部落解放、人間解放への大道を切り拓くための教宣運動の再構築をめざしたい。

 現在の本紙の発行は、20〜50歳代の数人という職員体制に移行している。各地の都府県連と同様に、定年後の再雇用、嘱託という雇用形態に移ったことなどを背景に、本紙発行体制は現在、月4回の定期発行の維持・安定を保とうと全力でとりくんでいるところである。

 最近はとくに、各部落・支部のとりくみの現状を発信する「ムラじまん・支部じまん」や、部落解放運動や識字運動にとりくむ人を紹介する「生きる」など、都府県連や地協・支部での活動を紹介する紙面が減少傾向になっている。

 本紙の内容の充実、そして財政面での充実は、中央本部をはじめ部落解放運動の充実・発展、その自主財源の確保にも大きくつながっている。新しい時代に向け、現状を打開するために、8月下旬から9月上旬にかけて全国ブロック別教宣部長・機関紙担当者会議を4年ぶりに、全国の4か所でひらく。

 会議に先立ち、今回も、本紙と「解放新聞」の各支局版、写真ニュースや縮刷版などもふくめて、その配布、購読対象や部数、拡大へのとりくみの状況などを把握するために、事前のアンケート調査をおこなっている。写真ニュースのあり方や縮刷版の電子書籍化など、事前に送付した「「解放新聞」配布・購読状況調査表」の回答をふまえ、今後の機関紙活動の展開や紙面づくりに向けて議論したい。

 また、本紙の発行体制の現状をふまえ、解放新聞社からは、とくに「編集協力員」の、各ブロック数人の設置を提案し、各ブロック・都府県連に協力をお願いする。編集協力員の任務は、本紙での掲載に向け、各ブロック内の支部・地域でのとりくみや、人に焦点をあてた記事をつくること。解放新聞社からは、編集協力員の報酬や交通費、取材時の事故に備えた保険なども提案したい。

 編集協力員設置という試みは、次世代の部落解放運動、なかでも教宣活動を担う人を育成する側面をもたせたとりくみとして実施したい。

 今年は全国水平社創立から95年目。教宣・機関紙活動の活性化は、新しい時代の部落解放運動を構築するうえで、たいへん大きな意義をもったとりくみである。全国ブロック別教宣部長・機関紙担当者会議に集まり、100周年を迎える部落解放運動の高揚に向けて、十分な役割をはたす教宣・機関紙活動をつくり出すため、大いに論議していただきたい。


 

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