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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第1972号/00.06.12
 「日本は天皇を中心にしている国」との発言につづいて、森首相が、古都・奈良で、国会解散早そうに、また「国体」発言をおこなった。しかも、翌日には「失言もあって怒られました」といいながら、また翌日には「失言でも何でもない」と居直るおまけつき/古都へ行って感激を新たにしたわけではないだろうに、おもわず日共攻撃のなかで国体という発言がでた、というおそまつ/この国体という意味は、国のかたちなどといったものでなく、「天皇を中心にしている神の国」の脈絡上にあることは、どれだけ否定しても明白。天皇を中心とした国=国体ということを守るために、敗戦の決断を引きのばし、そのために広島、長崎での原爆投下で多くの人々の命が奪われた/「神は細部にこそ宿りたまう」という言葉がある。森首相の発言でいうと、「天皇を中心にしている神の国」「国体」という細部の発言にこそ、真意がこめられている、という意味だ。私は戦時下では7歳までしか育っていない、人生の大半を戦後民主主義のもとで育ったので民主主義者だ、などというのは大ウソ。戦前の天皇・軍国主義教育が骨のずいまでしみこんでいることが、よくわかる/こんな事態のなかでは、まともな政策論争もできない、というのが民主党など野党の声。こんな首相は敗戦の責任をとらされて、使い捨てになるだろうが、こんな首相しかもてない私たちの悲劇は、この選挙できっちりと返上しようではないか/総選挙ではこの国の民主主義の成熟度が問われている。

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