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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2087号/02.09.23
 時代をうつす鏡のひとつにテレビコマーシャルがある。時代のふんいきや匂い、色を見事にうつし出すのである。そういった点で、最近おもしろいコマーシャルをみた
▼教師が生徒に開く。君は将来、何になりたいのか、と。生徒は「勝ち組」と答えて走り出す。そこは、このコマーシャルを製作した、大阪の某大学というわけだ
▼この勝ち組とは何か。もちろん対極にあるのは負け組だ。勝ち組とは、グローバリズムの大競争社会のなかで勝者になって生き残った人びとのことをさす。しかし、この勝ち組も、不断の競争をかちぬかないと、あっという間に負け組になってしまう
▼だいたい、今の時代のなかで勝ち組になるのは圧倒的少数。圧倒的大多数は最初から負け組なのだ。中小企業は大企業から値下げ攻撃で泣かされつぶされる。銀行からは貸し渋りで融資を受けられず高金利のマチ金に頼らざるを得なくなる
▼日本の勝ち組は、もっとすごいことを負け組にしかけてくる。所得税率、生前贈与税を下げ、金持ちには有利にする。その一方で、所得税の課税最低限をひき下げて、私たち=負け組からさらに税金をとろうとする。消費税に何かの目的税という名目を与えて率を上げようとする
▼これが勝ち組のこんたんだ。ようするに勝者はどんどん強く、敗者はどんどん弱く、というわけだ。ここらで一発、圧倒的多数の負け組の大団結で逆転の運動をおこそう。

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