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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2097号/02.12.02
 自分の家の宗教は何だろうか。普段は関係ないのに、葬儀になると関係が出てくる、というのがほとんどの家庭の実態ではないのか。ここから、日本の宗教人口は二億人、という語も出てくる
▼二億人も人口はいないのに、と思うなかれ。仏教系で檀家などにカウントされた者と、新宗教、新新宗教などにカウントされた者と合わせると二億人になる、という勘定だ。なるほど、日頃の無閑心が、こうした数字にも表されることになる
▼私は浄土真宗の門徒だ。といっても、寺へ行ったり、修行したり、お経をあげるわけでもない。ただ、親鸞の生き方や思想には共鳴できる
▼親鸞に関するある連載を読んだ。親鸞が越後に島流しにされた(一ニ〇七年)後、関東で布教活動をすすめ、多くの弟子、孫弟子ができた。しかし、このとき幕府は念仏禁止の弾圧に出てくる。このとき親鸞が最終的に選択したのは関東を捨て、弟子を捨て、京都に帰ることだった
▼それは非難きれることではなく、親鸞自身がまだまだすべきことが多くあったからにほかならない。そのとき、どう弟子たちを突き放したのか
▼「眼前の秩序ある世界をご破算にして混沌につき戻すとどうなるか。汝、弟子たちよ、そのことに耐えうるや否や、それに耐えてみよ」。そこには厳しい問いと眼差しがある
▼この閉塞し激動化する時代のなかで、私たちも同じような問いかけをされているのではないか。

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