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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2121号/03.05.26

ネグリ生政治的(ビオポリティーク)自伝
―帰還―

アントニオ・ネグリ 著  杉村昌昭 訳  作品社(定価2200円)

書籍画像 79年4月、アントニオ・ネグリは、「赤い旅団」の最高幹部だとされて逮捕・監禁された。しかし、これはえん罪。83年、フランスに亡命したが、97年に自発的にイタリアに帰還し再逮捕、再監禁された。今年4月25日、完全に自由の身になった。
 ネグリは、ハートとの共著『〈帝国〉』で世界的に有名になった。このネグリの68年を契機とした闘い、思索の歴史などをABC順に思いつくままの項目を並べてインタビュアーに語ったのがこの本だ。
 〈帝国〉とはアメリカのことだ、という俗流的な解釈をよそに、77年の「アウトノミア(労働者自治)運動」(労働の拒否、マルクス、エンゲルスの『ドイツ・イデオロギー』の独自の解釈で日本でも紹介された)を説き起こし、その延長上、必然としての〈帝国〉論、それに対抗する〈マルチチエード〉を語りつくす。いい意味でのネグリの思想のアウトラインがわかる本。
 〈帝国〉はアメリカなどと思っている君こそ、じっくりと、いま、読むべき本だ。  (A)

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