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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2126号/03.06.30

空疎な小皇帝
「石原慎太郎」という問題

斎藤 貴男 著  岩波書店(定価1700円)

書籍画像 「今日の東京を見ますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪をですね、繰り返している」「もし大きな災害が起こった時には大きな大きな騒擾事件すらですね、想定される」「“女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です”って。男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きているってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって」 これは石原慎太郎・東京都知事の発言。
 こうした発言をくり返す石原都知事が、総理大臣候補として名前があげられるのはなぜか。戦争のできる国づくりへひた走る日本にとっての、石原慎太郎の役回りを浮かびあがらせたのが本書。
 石原の人物像に迫るだけではない。いまを生きる私たち一人ひとりに、石原憤太郎を「鏡」として、社会に向きあうことを求めている。本書は月刊誌『世界』の連載を再構成したもの。戦後最大の転換点を人間の眼で、解き明かす。  (E)

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