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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2127号/03.07.07

ひいらぎの垣根をこえて
ハンセン病療養所の女たち

佐々木 雅子 著  明石書店(定価1800円)

書籍画像 能本判決から2年が過ぎた。あのときの興奮はまだ余韻としてのこっている。
 かつて『解放を問われつづけて』(74年)のなかで療者の息子として過ごした成育をあきらかにし、解放教育との出会いを語り、「療者の息子として」(82年)を『解放教育』で連載した林カさんのことを思いだした。その後、部落解放運動の無反応に落胆したことを隠さずのべていた。20年も前になるがその応答を試みながら、力およばなかったことに悔いが残っている。
 本書の書名「ひいらぎ」は、多磨全生園をとりまく垣根。葉は鋭いトゲ状になっている。登場する3人はすべて女性。とくに2人は外国に出自をもっている。ある療養所の在日韓国・朝鮮人の在所率はかなり高い。ライ菌は微弱で貧困とのかかわりが深い点からみても、罷患者が多いのは日本が強いた過酷な仕打ちと無縁ではないだろう。
 本書でも年金などさまざまに、差別もあったことを証言している。つくづく日本社会総体が生み出し、重層する「罪」の探さをあらためて思う。(安)

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