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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2133号/03.08.25

マイノリティと多民族社会
国際人権時代の日本を問う

丹羽 雅雄 著  解放出版社(定価2000円)

書籍画像 各国の在外韓国・朝鮮人を取材しているジャーナリストはいう。「確かにそれぞれの国に厳しい差別は存在している。しかし、これほど法的に差別が整備されている国は日本だけだ」。
 日本には「出入国管理法」と「外国人登録法」という在日コリアンを管理するための法律だけが存在している。国際法を紐解けば領土内のすべての人の権利擁護をする義務を国家が有していることを明記しているが、単一民族幻想の強い日本にあって、国民と国民でない民という壁は厚い。それは静かではあるが確実な暴力として在日コリアンを周縁化させている。いいかえれば人種主義を「法制化」しているのがこの国だ。
 法実務家として、在日コリアンや在日外国人の人権にとりくんできた丹羽雅雄・弁護士が日本の法構造を平易に論じた著作だ。姜尚中著の『日朝関係をどう越えるか』(集英社新書)を合わせて読むのをすすめたい。
 ヒタヒタと加速するこの国の人種差別主義を鋭利なまなざしでみていきたい。   (汝)

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