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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2131号/03.08.04
 マイノリティレポートという題名の映画があった。これは、SF映画で、未来社会ではすべての犯罪はその実行前に犯人が捕まえられる、というものだ。映画では、その捜査官がつぎに犯罪を犯す、と指名される
▼犯罪被害者は、犯人が事前に捕まることにより、なくなる。すばらしい未来社会だ。それと同じようなことが、このすばらしい日本で導入されようとしている
▼この法律、国連の「犯罪防止条約」批准にともなう国内法整備を口実にしたもの。国連の条約はマフィアなどの国境を越える組織犯罪集団の犯罪を効果的に防止するためのもの。ところが、国内法ではそれだけでなく長期4年以上の刑を定める犯罪(560以上)の遂行を共謀した者を処罰することになる。つまり、あらゆる犯罪者を、共謀罪の名の下に、事前に捕まえようというものだ
▼簡単にいえば、誰かが気に入らないからどついてやる、と数人でいったなら、それだけで共謀罪で捕まることになる。実際に凶器を買うなどの行為がなかっても、それだけで捕まるのだ
▼これまで、犯罪というのは実行の着手があって初めて未遂罪となるのだが、この法律では反社会的行為の意思をもつだけで処罰の対象となる。明白な保安・治安立法である
▼こんなことが、知らない間にすすめられているのだ。なんと、日本は治安面でもすばらしい国ではないか、といえるのかどうか。あなたなら、どうする。

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