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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2172号/04.06.07
 テレビをつけるとドキュメントを放映していた。内容は蜂の巣城。といっても、ご存じの人は高齢者が多いだろう。1954年8月、前年の洪水の経験から九州地方建設局は熊本県小国町を中心に、ダム建設の調査を始めた。住民の要求に応え、3年後にはじめて説明会がひらかれた
▼地元住民は不安を表明、建設反対を明確にした。59年、土地収用法適用による強制執行が企てられるが、住民は座り込み、いわゆる蜂の巣城とよばれる見張り小屋をつくり、激しく抵抗した
▼しかし、翌年には反対派は5人を残すだけとなり、闘いは展開されたが、この年、強制代執行でダム建設がおこなわれるようになった
▼しかし、室原和幸さんはひとり蜂の巣城をきずき反対闘争をつづけた。70年、彼が亡くなるまでさまざまな形でつづけられた
▼このドキュメントを見ながら、小学校のとき、蜂の巣城を例に、みんなのためにダムを造るのに、それでも反対というのはおかしい、社会にためによくない、という説明を受けたことを思い出した。そうかな、というのが当時の率直な思いだった
▼アイヌの聖地も多目的ダムならぬ「他目的」ダムで沈められた。公の論理が突出し、私が押しのけられるとき、国家がむき出しになる。まさにいま、そういった状況が増加しているのではないか
▼戦争できる国家づくりに抗し、私を押し出し、一人でも反戦を訴えることが必要ではないのか。

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