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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2188号/04.10.04
 西に突き出た能登半島が、すり鉢状の富山湾をつくり出す。春の初めになるとホタルイカが産卵に訪れ、海は青白く光る。イカの身投げとは、波打ちぎわに打ち上げられた産卵後の雌のホタルイカのことをいう
▼生でもよし、ボイルしてもうまいのが、このホタルイカ。これほどうまいものがあるのかというほど、旬のものはいい。もっとも旬は約3か月間と短い。ホタルイカ漁が盛んな富山県滑川町では、ホタルイカミュージアムがつくられ、ホタルイカ漁の歴史、料理の仕方、発光の仕組みなどが説明される
▼富山湾は蜃気楼でも有名だ。春から夏にかけて、蜃気楼があらわれる。幻想的な風景が、海の上で見える。魚津市からよく見える
▼魚津市は、また、1918年7月の米騒動の発祥の地としても有名だ。米価急騰の原因は米を他所に移出するからだとして、漁民の妻女ら46人が移出を阻止しようと海岸に集合したところを警官に解散させられた
▼しかし、富山湾沿岸の資産家や米屋を襲い、打ち壊すなどに民衆蜂起はおよんだ。そして、4県を除く全国に波及した。部落民は関西を中心に22府県116市町村で参加。狙い打ち的に弾圧を受け、死刑にされた二人とも和歌山の部落民だった
▼民衆蜂起発祥の魚津の現場をみると、移出をするための建物は大きなものであったことがわかる
▼現場には80周年を記念する碑と説明文がひっそりとあるだけだった。

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