核問題
ハンドブック

和田　長久　　原水爆禁止日本国民会議　編　　七つ森書館（定価2000円）

　核サイクルのあらゆるところで核被害者がでており、核は人類の生存を脅かし、人類とは共存できない。核絶対否定の立場で闘おう。
　これは89年４月９日、青森県上北郡六ヶ所村でひらかれた「反核燃の日」全国集会での、原水禁代表委員・森滝市郎さんの発言だが、その森滝さんは、この５年後92歳で亡くなった。森滝さんの後半生は、まさに原水禁運動とともにあったが、ヒバク60年、敗戦60年を迎え、この60年間の歩みをふり返り、米国のブッシュ大統領の登場によって、小型核の開発や先制使用も「正義」や「安全」のためにはやむをえない、という考え方の急速な広がりにたいし、その誤りを歴史的にも明らかにするために本書は編まれた。
　核被害の実態を伝え、核兵器、軍縮、原子力発電を考え、核と戦争のない未来をみつめるための135項目で構成、９人が執筆、索引もある。
　戦争のできる国づくり社会づくり、人づくりへひた走る日本で、あらためて核問題を軸に、私たちのいまを問い直そう。　　　（E）