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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2268号/06.05.15
 アイヌ民族ではじめて国会議員となった萱野茂さんが5月6日に亡くなった。解放の議席を松本英二副委員長(当時)が守りつづけたが、その死後、この議席を受け継いだのが萱野さんだった
▼1972年には、アイヌ文化資料館を自宅前に建設。アイヌ文化の保存に尽力した
▼参議院議員就任直後の国会では、アイヌ語で演説した。どうしたら国会でアイヌの問題を取りあげてもらえるかを考えたすえの結論だった。メディアにも、この演説は大きく取りあげられることになった
▼萱野さんは、議員宿舎で夜になるとこつこつとアイヌ語辞典の作成をおこなった。議員辞任後、これらは見事な書物として完成・刊行された
▼萱野さんが参議院議員を辞したときのいい方も愉快だった。「狩猟民族は足元の明るいうちに帰るものさ」と。鮭を捕る権利、鯨を捕る権利をアイヌに取りもどす、アイヌの生活権の奪回が最後のライフワークだった
▼04年の松岡参議院選挙で支援を訴えたときも、こころよく了承してくれた。その時、自宅に来ていた看護師さんと一緒に写真を撮り、送ったことを昨日のことのように思い出す
▼自然と一体となって生きるアイヌと同じように、部落の私たちの先祖は、あるときは放浪の民―遊芸者として自然の厳しさのなかで生き、自然と交感することができる民であった。だが、それは今失われている。私たちもそれを奪回すべきだ。

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