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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2276号/06.07.10
 米軍南方軍司令部のクラドック将軍は「ボリビア、エクアドル、ペルーでは、体制への不信感、信頼の欠如をバネにして、反米、反グローバリゼーション、反自由市場の扇動家があらわれている」と、昨年米議会で発言した。たしかに、それ以外にも、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどで左派、中道政権が誕生している
▼ラテンアメリカに大きな地殻変動、政治的流動化が起きている。これまでラテンアメリカではアメリカの支援のもと、民主化の波は軍事クーデターと拷問を専門とする軍事政権によって押さえ込まれてきた。しかし、先住民の運動のなかから、新しい動きが、いま、出始めている
▼土地なし農民とされてきた先住民の闘いが、彼らの代表を大統領に押し上げたのだ。アメリカの軍事的支配、資源収奪型のやり方、ネオリベラリズム政策の失敗による財政破綻と社会的不平等の拡大が、ラテンアメリカ社会での闘いの根底にある
▼格差社会の進行は日本でも同じだ。とりわけ、この5年間の小泉政権のもとで、ますます拡大したことが実感できる
▼「もったいない」をスローガンにした嘉田新知事が滋賀県で誕生した。格差社会、管理抑圧の強化など閉塞感に満ちた現状への期待の票が集まったのだが、ここにも政治的流動化の動きを見て取ることができる
▼この動きをせき止めることなく、どう生かし切るのか、というのが連動の課題だろう。

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