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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2281号/06.08.14
 1958年10月、テレビドラマで「私は貝になりたい」が放映され、大きな反響をよんだ。フランキー堺主演の物語はこうだ。高知県で理髪店を営む堺は、召集され兵隊に。訓練中に米兵捕虜を殺害するように命じられる。しかし、それができず、けがを負わせた
▼復員し、理髪店を営むが、捕虜虐待の罪で捕らえられる。BC級戦犯としてだ。裁判で堺は、軍隊は上官の命令を聞かないと死罪になる、と証言する。しかし、聞き入れられず、死刑になる
▼遺書に堺は書く。どうしても生まれ変わらなくてはならないなら、私は貝になりたい、兵隊に取られることも、戦争もないからと。国家と個人、戦争と人間というテーマをいれた秀作だった
▼よく誤解されるのが「A級戟犯」という言葉。敗戦後、東京裁判にかけられたのがA級、B級、C級の戦争犯罪人。この場合のA級とは戦争を遂行した国家指導者、戦争の準備、開始、計画を共同謀議した者で罪は重い。B級とは戦場で命令する立場にいたもの、C級とは実行した兵隊など。ABCは、グレードや質ではなく、区別なのだ
▼このA級戟犯を祀る靖国神社を小泉首相が公約の実現のため8月15日に参拝するのではないかと予想されている。侵略戦争を正当化する装置としての神社、そして、合祀をめぐり、アジア諸国からの批判が強まっているにもかかわらずだ。首相の参拝を世論で止めなければならない。

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