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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2362号/08.03.24
 世界中の金融界が揺れている。ついに対ドル95円になった。この水準は12年7か月ぶり。米サブプライムローンの焦げ付き問題が、ここにも波及したかたちだ
▼金が世界貨幣とよばれたのは、希少性に富み、分割が可能であったからだ。多くの国が金本位制をとり、金に至上の価値を与えた。すべての紙幣は最終的には金と交換可能として流通してきた
▼こうした金を背景に敗戦後台頭してきたのが米。ドルがいくらたれ流されても、金との交換可能性が固定相場制を維持させてきた。当時、1ドルは360円だった。ところが、1971年8月についにニクソンショックが起こる。これは、ドルと金との交換を停止し、固定相場制を廃止するものだった
▼いらい、円はドルにたいしてじりじりと相対的に価値を上げてきた。それを象徴するのが、対ドル100円割れだ
▼庶民は海外旅行に安くいける、という程度の認識だが、輸出業者にとっては大打撃。あるいは金融関係者にとっては、いまのうちにドルを安く買い、時間がたち円が安くなったときに売れば儲かる、というように頭が働く。かくしてまたぞろ世界中が金融ゲームの舞台とされる
▼こうしたなかで、日本の金融政策を決めるのが日銀。この総裁人事をめぐって国会が揺れている。小泉以来の格差社会の拡大・固定化を図ってきた人を総裁にしてはならない、というのは当たり前のことではないのか。

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