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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2421号/09.06.01

貧魂社会ニッポンへ

ソウルイン釜ヶ崎 編著  アットワークス(定価1800円)

書籍画像  大阪・釜ヶ崎は、国内最大の寄せ場。多くの労働者は建設日雇い。しかし高齢化と90年のバブル崩壊後は、野宿を余儀なくされる労働者が増える。
  08年冬。東京・日比谷に「派遣村」が登場し、「生きさせろ」と訴える非正規労働者の実態が明るみに出た。一方、東京・山谷をはじめ全国各地の寄せ場では「やられたら、やりかえせ」と恒例の越冬闘争に突入。釜ヶ崎でも「一人の死者も出すな! 生きて春を迎えよう」を合言葉に第39回の越冬闘争を闘った。
  この本は、この街で支援活動をする「ソウルイン釜ヶ崎(野宿者問題を考える宗教者連絡会)」が、宗教者として社会の最底辺で生きる人びととどう向き合い、そして支援活動とは何かを、さらにはホームレス社会やみずからの宗教のあり方を問いかけた、宗教者の偽らざる思いを収録したもの。一読を。
  冬地獄。「越冬闘争の主役は死者である。ついで野宿者である。野宿者は死者に接する。生か死か。一歩も後へは引けない。絶望と希望。そして祈りと闘い。越冬闘争は、釜ヶ崎労働者の決定である。力である。文化である」と青木秀男さんは言う(「死者と生者の対話―釜ケ崎「越冬闘争」から」開放社会学研究2)。(MT)

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