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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2442号/09.11.02

マルクスの逆襲

三田 誠広 著  集英社新書(定価700円)

書籍画像 マルクスの夢は、貧富の格差のない豊かな社会の実現と、すべての人びとに疎外のない充実した人生を与えること。つまり生きる目的、生きる希望が必要ということ。
  昨年から今年にかけ100年に一度と称する大恐慌が世界を襲った。
  日本でも資本主義が行き詰まり、貧富の格差を拡大させ、マルクスがいう「労働力は単なる使い捨ての商品」のように、首切りと非正規労働者の増大が社会問題となった。
  この書では、多くの若者がマルクスを信じた団塊の世代(全共闘世代)に属する芥川賞作家が、非正規労働を余儀なくされるいまの若者たちに向かって、いま一度マルクスの夢(思想)を説く。「かならず資本主議は破綻する」というマルクスの予言をキーワードに、戦後からの日本経済・社会を、経済活動の基盤となる労働力を中心に論じ、労働者が意欲を失い、働くモチベーションをもてなくなった社会は、かならず疲弊する、と指摘。また、このままだと世界中の大部分の労働者が「大貧民」と化し、大貧民の逆襲がはじまるかもしれない、とも予測する。
  政権交代は、いまの社会、地域、職場のあり方を問うている。いまこそマルクスの出番ではないのか。(MT)

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