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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2416号/09.04.27
 ある作家が、こう書いていた。お金を持っているからいい服を着ているのではない。いい服を着ているから、お金が入ってくるのだと。なるほど、と思った。実行してみたが、最初はできるが、あとが続かない。お金がないからだ。結局、先立つものはお金ということになってしまう
▼「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」「この町を回っているお金からは、魚の匂いがした」と書くのは、漫画家の西原理恵子。高知県の漁村出身だ。理論社から出した『この世で一番大事な「カネ」の話し』が売れている
▼西原漫画の原点は『ぼくんち』。「豊かな人は貧しい人の気持ちがよくわからないし、貧しさの中で、人は自分よりもっと貧しい人をバカにするようになる。わたしは、育った町でそういう現実をいっぱい見てきたからね」と編集者にいい、「差別を描いてみたい」と語ったという
▼『ぼくんち』には差別や貧困にへこたれないで生きる子どもの姿が措かれる。が、それは「「ほんとうはこうあってほしかった」という願い事」として描かれたものだった
▼大不況のなかで、貧困という負のループから抜け出せない人びとが増えてきている。しかし「希望」を失うなとグラミン銀行の実践を評価しながら、西原はよぴかける
▼その希望をつくるノウハウを持っているのが部落解放運動ではないのか。いまこそ出番ではないのか。

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