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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2479号/10.07.26

日本の近現代史をどう見るか

岩波新書編集部 編  岩波新書(定価800円)

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 混迷する資本主義。昨年、「改革」をかかげた民主党政権が誕生した。しかし、簡単に「公約」を翻し、沖縄の民意を切り捨てた。民主主義を反古にしたばかりか、沖縄への差別、植民地主義を満天に示した。
  近代の幕開けから150年余。日本は何を求め、どのように歩み、これからどこへ行くのか。『シリーズ日本近現代史』(全10巻)が刊行された。「幕末・維新」から現代までを9つの時代に分けて政治・経済・社会・文化の流れをたどる。その最終巻がこの書である。
  シリーズの特徴は、近現代の「通」を、「いま」それぞれ問題となり解決が求められている「家族」「軍隊」「植民地」の3者をキーワードに考察、近現代日本とは何かを明らかにしようとする。終章の「なぜ近現代日本を学ぶのか」で、「3者は近代が作りだし、帝国と植民地とにかかわり、三位一体となって新たな課題を突きつけてきている。3者を「通」とするのは、帝国としての日本を明らかにしようとする問題意識であり、グローバリゼーションの中での「日本」を考えることになる」と教示する。
  領土と領民を囲い込んだ近代国家。差別と植民地主義が今なお跋扈する日本社会が問われる。(MT)


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