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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2460号/10.03.08
 これは非常事態宣言の演習か、と思うほどマスメディアは津波情報を掲げ続けた。テレビをつけると画面上にはずっと警報の種類で湾岸が色わけされた列島の地図が映し出される。どんな作品・番組が放映されていてもだ。もちろん、人命がかかっているだけにとは思うものの、いつもこうやってファシズムはやってくる、と思うとなんとなくちぐはぐな感覚が残る
▼チリでの地震、津波と聞いて半世紀前の三陸地方での津波による被害を思い出す人は、もう年配。今回の津波もジェット機並みの速度で日本へ押し寄せた。チリでは南北600キロにわたって断層が動いた。ちょうど直角になる東西に津波は強く伝わる。つまり日本付近で津波は大きくなる、ということだ
▼湾内に入る津波は幅が狭まるにつれ集中、水深が浅くなるほど津波の速度が遅くなり、後からやってきた津波が重なり、ますます高くなるとは新聞記事の解説。自然現象を数字に置き換えることで、予想を立てることができるというのが自然科学ならではだ
▼なじみのたこ焼き屋の主人が、もう3月中旬でこの商売やめます、という。昨年から不景気が増し、赤字続きで、もうもちこたえられないと語る。近所で残るのは大手チェーンのたこ焼き屋だけになる
▼経済学も数字を相手に景気動向の予想と対策を立てるが、どうもうまくいかない。他の社会現象、要因をうまく分析に取り入れられない現在の経済学の限界なのか。

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