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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2480号/10.08.02
 「更生できなかった猫はいないという」。何のことだ、とよく読むと、「世界自然遺産への登録を目指す小笠原諸島の父島・母島で、希少種の鳥類を襲う野良猫の全頭捕獲作戦が始ま」り「猫は本土に送り、飼い猫として再出発させる」こととわかった
▼なんのことはない、野良猫を全部捕まえて更生=飼い猫にするということだ。飼い猫に手をかまれる、という言葉はないし、たしかに大丈夫なのだろう。だが、これは孤絶した島だからこそできる作戦。本土ではとても無理
▼なぜなら、陸続きでどこにでも移動が可能だし、全頭捕獲そのものが不可能。なにせ、本来、列島にいなかった動植物まで、いつのまにか住み着いているのだから
▼大相撲名古屋場所が終わった。NHKの実況放送もなく、寂しく感じた人も多かっただろう。理由は反社会勢力の暴力団との野球賭博や交際での社会的バッシング。だが、あまりに警察による暴力団たたきのスケープゴートにされすぎていないだろうか
▼たしかに相撲協会の姿勢や対応は後手。しかし暴力団壊滅を狙い、条例などで暴力団やフロント企業とのあらゆる関係を規制し、条例を守らせることだけを権力は強要する
▼現実はさまざまな諸関係のなかにあり、孤絶できない。個個の更生も大切だが、何が、なぜ、暴力団が跋扈する社会となっているのかを分析し、そのもとをたつことこそが重要だ。じつに、この社会のしくみが問題なのだ。

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