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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2536号/11.09.26
 国技といわれてきた相撲。「子どもを厳しく育てない昨今では、角界に入ってくる若者の辛抱心だけでは無理。ハングリー精神は、外国人と日本人で大差がある」と叱咤するのが、元力士の総合物流会社社長
▼かくいわれるほど、いまの日本の若者のハングリー精神は衰退しているのか、と驚くばかりだが、相撲を見ていると納得せざるをえない
▼背景には富める国、貧しい国という問題がある。サッカーでもそうだ。サッカーの母国はイングランド。ここではフットボールとよぶが、ボール1個あればできるゲームは、皮肉にも英国やヨーロッパの植民地で発展し、いまや強豪国に名を連ねている
▼だがこれは男のスポーツ。大股を広げてボールを蹴るさまは「はしたない」とされ、女性は排除され続けてきた。性別役割の撤廃運動とともに1971年、ようやく女子サッカーが国際サッカー連盟に認められた
▼だからこそワールドカップ女子サッカーの大会宣言で日本代表の渾選手が「人種、性別、種族的出身、宗教、性的指向、その他のいかなる理由による差別を認めない」「サッカーの力で人種差別、女性差別を撲滅できる」「ともに差別とたたかってください」と訴えたのだ
▼マスメディアが事実を確かめる力がなくなった、とその劣化を批判するのが内田樹さん
▼女子サッカーの実況でナショナリズムを煽るのではなく、差別撤廃の訴えをも伝えるのがマスメディアのつとめだろう。

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