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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2594号/12.11.19
 大災害は社会にある矛盾を顕現化させる。東日本大震災がそれだった。たとえば原子力発電所。過疎地が狙われ、事故がおきても対策は十分してあり大丈夫、と地方自治体や住民はいいくるめられ、信じてきた
▼電力会社、政治家、官僚、学者、労働組合、マスコミの「鉄の六角錐」とよばれる強固な「原子カムラ」の住民たちが国の権威を御旗に、安全神話を垂れ流し続けてきた。いまだに大惨事は続き、収束への途は見え切れていないのが現状なのにだ
▼震災直後の「原子カムラ」住民の対応はどうだったのか。あらゆる情報を隠し続け、事態が悪い方向へ向き続けても、安全神話の補完を続けた
▼当時の東京電力などの対応を評して「小学生の下手なサッカー」という人がいる。この先、どういう事態が想定され、それにたいしてどう対処したらいいのか、という意見がまったくなかったからだ
▼東電再生への経営方針案が打ち出された。賠償費用や廃炉費用がかさむから、「ダイナミックな民間企業に早く復帰し責務をはたすために」政府に新たな費用を出してくれ、という内容だ
▼トイレのない家など考えられない。日常的に人間は排泄し、それを処理することで生き続けるからだ
▼原子力発電はコストもかからないクリーンエネルギーといいながら、廃棄物処理、廃炉、事故での賠償など眼中になかった。あったのは金の増殖だけ。東電の安直な経営方針は、許されるものではない。

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