何も書いていない紙の最後に署名捺印がされているものを白紙委任状という。都議会選挙では、じつに56.5％の人たちが白紙委任をおこなった。ようするに投票に行かなかった人たちだ
▼史上２番目の投票率の低さだった。こうしたなかで全員当選をかちとったのが自民党と公明党。企業や金持ちだけを儲けさせるアベノミクスが庶民にも幻想を与え、安倍政権の高支持率に支えられての圧勝につながった
▼参議院選挙で安倍政権は大企業への減税、原発再稼働、TPPの推進、沖縄への米軍基地負担の増大、憲法96条の改悪などの公約を宣伝している
▼すべてをグローバル企業の都合のいいようにすれば、庶民にもおこぼれが来る、所得もちょっとは増えるよ、といいくるめている。ごくわずかの所得増もインフレと増税でかえって目減りすることを隠しながら。だまされてはいけない
▼「日本の刑事司法は自白に頼りすぎ。中世のようだ」と批判をあぴた人権人道担当大使が、「日本の人権状況は先進的。中世のようではない」と反論したつもりが、中世を「中年」と間違えた。笑いがおこると、外交官が決して口に出してはいけない「シャラップ（黙れ）」と発言した
▼日本の人権が先進的と疑わないこの大使、笑いの意味もわからなかったのだろう。参議院選挙後も安倍政権を存続させると、あらゆる改悪に立ち向かおうとしても、シャラップと政権から弾圧されるだろう。