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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2635号/13.09.16
 日曜の朝、ニュースをみようとテレビをつけた瞬間、これみよがしの歓声と映像が飛び込んできた。IOCによるオリンピック東京開催が決まったとわかり、すぐテレビを切った。別にへそ曲がりだからではない。このニュースがえんえんと続くと思ったからだ
▼商業新聞が東京開催を伝えたのが、翌月曜の夕刊。朝刊休刊日と重なり、一歩出遅れた。「おかえり東京五輪 2020年開催56年ぶり」とはうまい見出しだった
▼東京招致をいいだしたのが当時の石原都知事。05年9月のことだ。だが失敗。今回が2回目の挑戦。この間、140億円もの大金が招致合戦で使われた。開催資金が4400億円あるという
▼被災地に夢と希望を与えると、意義を作りあげ東京招致をしただけに、こうしたお金を被災地に回せばと思うのが人情だ
▼だが多くの人びとは東京五輪を待ちわびる。「平和の祭典」が建前であり、放映権やスポンサー権など、利権まみれの実態があることを知りながら。人びとが期待するのが純心なアスリートたちのドラマ、そして感動
▼部落解放文学賞は今年で40回目をむかえる。識字、詩、記録文学など多くのすばらしい作品を生み出してきた
▼文学賞の作品、筆者のなかに多くのドラマ、感動がある。そう、一回限りの固有の人生を歩む人びとのなかにこそ、ドラマがあり、感動をよぶのだ。虚像にではなく、人びとがつながり生きるなかにこそ、それはあるのだ。

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