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コラム
荊冠旗 第2665号/14.05.05
 大学をやめるある先生が卒業式でこういったという。「卒業おめでとうとはいえません。なぜなら、あなたたちは、これから向かう社会で、あなたたちを、使い捨てできる便利な駒としか考えない者たちに数多く出会うからです」と
▼かつて官吏や「いい仕事」につくためには高学歴がいる、として受験戦争がはじまり、いまに続いている。親たちの思いは、自分のような下積みのつらい思いを子どもにさせたくない、というものだった
▼もっとも部落のなかでは、部落産業を継げば生活に苦労しない、という発想もあり、高校進学率を押し下げていた、という事実もあった。だが、その部落産業も崩壊させられている
▼大学進学と所得との関係をみれば、高所得者の子どもほど「いい大学」へすすんでいることがわかる。そして、新自由主義が蔓延するなかで、一部のエリートだけが企業や行政や正規雇用者をコントロールすればいい、という社会が形成されてきた
▼さきの大学の先生のあいさつは、こうした変化をふまえたものだった。「ホワイトカラーエグゼンプション」の変形が、またまた導入されようとしている。自由で多様な労働形態で働ける、という宣伝のもとに
▼点と点を結べば線。線と線を結べば面。面と面を結べば立体になる
▼ブラック化する労働の現状は、この国の労働政策はもちろん、教育・出生政策、戦争をする国への途と結びついていることを知らねばならない。

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