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全研での論議をふまえ新たな同和行政、まち
づくり、人権の法制度で論議を深めていこう

 十月十七日から三日間、部落解放研究第36回全国集会が鹿児島県でひらかれ、今後の部落解放運動や同和行政の方向として、中央本部の人権政策検討委員会の三つの部会である「新同和行政推進施策」「人権の法制度・政策」「人権のまちづくり運動」部会からそれぞれ中間報告がなされた。
 各中間報告は本紙上でも詳細に紹介していく予定だが、どの中間報告も今後の部落解放運動や同和行政の方向を指し示す重要なものばかりであった。二日日の分科会でも活発に議論されたが、さらに論議を深め最終報告内容をより充実したものにする必要がある。
 そのためには各地のとりくみ実践をふまえた論議が不可欠である。「方針は現実から与えられる」といわれるように、地域の実践から生まれた理論でなければ、同和行政や人権のまちづくりの新しい方向も地域の部落解放運動の役に立たない。また、理論は中央本部から与えられるのではなく、地域から創造されるものであり、そうした理論こそ実践の糧になることを肝に命ずる必要がある。

 私たちは「特別法」失効にともなって、「特別法」がなくなったから差別がなくなったのではなく、差別の現実から見つめていかなければならないことを強調してきた。それは新たな理論を創造するときも同様である。
 新たな同和行政、人権のまちづくり、人権の法制度の新たな方向も地域での実践から生まれた理論や意見がその支柱になる。
 理論創造も現実から出発することが重要なのである。現実がどのような部落解放運動や法制度、政策を求めているのかということを考えていかなければならないのである。理論が現実を規定するのではなく、現実が理論を規定することを忘れてはならない。
 限られた条件のなかで、時代の特徴をつかみ、それを活用するためにどのような政策が必要なのかということを明確に示す必要がある。部落解放運動をとりまく情勢は大きく変化しており、新しい方向性を指し示す必要性はますます高まっている。第36回全国研究集会の真撃な論議はそのことを顕著に物語っている。

 すでに「特別法」失効から半年が過ぎた。各地の同和行政や同和教育のとりくみで、後退や若干の混乱が生じている。同和教育という名称を使わないといった誤った方向に向きつつある地方自治体も出てきている。このような状況に歯止めをかけ、部落差別が現存する限り同和行政を推進する、という姿勢を堅持させなければならない。
 さらに、新たな時代の同和行政・同和教育を創造するためにも第36回全研での成果をふまえ、部落解放運動を取りまくあらゆる分野で今後の方向を明確に指し示す必要がある。
 そのためにも三部会中間報告の最終取りまとめに向け全国各地で論議を深めていこう。


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