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生活と仕事を創り出す相談活動の強化と
大胆な組織改革を断行し、
「人権のまちづくり」運動を全国展開するための決議

 部落解放運動は大きな転換期を迎えている。33年間の「特別措置法」時代が終わり、われわれは、これまでの闘いの成果と課題を総括し、部落差別撤廃に向けた「同和」行政の発展、人権行政の確立にとりくんでいかなければならない。
 とくに、部落解放運動にとって、生活を守り仕事を創り出す闘いは、きわめて重要な課題となっている。これまでの「特別措置法」時代にあった「行政依存」の姿勢だけでは、われわれの生活を守ることも仕事を保障することもできない。
 いま必要なのは、これまでの「同和」行政のとりくみの成果を生かし、生活・福祉・仕事保障などのあらゆる分野で、従来の成果を損なうことなく、さらに発展させていくことである。
 そのためにも、一般施策の活用方策を確立し、行政責任を明確にさせると同時に、われわれ自身が、相談活動や実態調査を通じて、部落内外の信頼をかちとり、自立・自己実現に向けた要求と課題を的確に掘り起こし、とりくみをすすめていくことが求められている。
 これらのとりくみを着実に前進させるためにも、部落解放運動は、これまでの闘いの欠陥、とくに行政依存からの転換をはかり、大胆な運動と組織の改革を断行していかなければならない。
 長引く不況と悪化し続ける経済状況のもとで、小泉内閣は「構造改革」による「弱者切り捨て」政策を打ち出している。われわれは、地域での相談活動を強化するとともに、自立・自闘の運動と組織を確立し、生活を守り仕事を創り出すことで、部落解放運動の新たな発展をかちとろう。
 また、こうした相談活動の強化や組織改革のとりくみは、「人権のまちづくり」運動を全国に拡げていくための重要な課題である。
 「人権教育・啓発推進法」の積極活用など、これまでの「同和」行政の成果を生かす一方、その限界を克服しながら人権行政を確立していく闘いをすすめ、地域での特性を生かした「人権のまちづくり」運動を主体的に推進させていく部落解放運動の力量が求められているのである。
 住民参加、住民主導の「人権のまちづくり」運動を部落内外の共同闘争として全国展開し、部落解放運動を大きく前進させよう。

 右決議する。

 2003年5月10日

部落解放同盟第60回全国大会

 

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