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市有物件共済会
中国支部職員が
「『ヨツ』が多いので気をつけよ」
自動車事故処理めぐり差別発言

「解放新聞」(2003.12.01-2147)

 

 【広島支局】「『ヨツ』が多いので気をつけよ」と6月17日に起きた(社)全国市有物件共済会中国支部(以下、共済会)職員の差別発言事件の真実を確認する会(以下、確認会)を、10月15日、27日の2回、福山市人権交流センターでおこなった。差別事件の内容は別掲載。2回目の確認会で、差別発言をおこなった共済会中国支部職員のY調査役がその事実を認めた。県連は、今後、発言の背景と課題を明らかにすることにしている。

 確認会では、県連からの問いにY調査役は①30年前に会社(N火災)の研修後、酒席で同僚が「部落問題という問題があって、治療が長引かされて事故の解決に困っている」といっていたのを聞いたことがある②20年前に会社の同和問題研修で「ヨツ」は隠語で、いってはいけないと聞いた③その他に部落問題との出会いはない、と繰り返した。
 県連は、①30年前の同僚の発言が本当に「部落問題という問題」というものだったのか②30年前と20年前の経験以外に部落問題との接点がないなかで、あの発言がでる必然性がない③この差別事件の背景を明らかにし、それを生み出した社会のありようを変え、啓発課題にすること④Y調査役が偏見をもたされている人聞から差別をなくす人間に変わってほしい、などを提起し、近く3回目の確認会をひらくことを確認した。
 また、確認会が事件から4か月もかかったのは、広島法務局が共済会中国支部にたいして「解放同盟の確認会に出席しないように」という指導をしたことが判明。「人権擁護法案」が廃案になったが、人権委員会を法務省の所管にすることは、人権救済に逆行することを改めて証明することとなった。

差別事件の内容
 共済会は、本部が東京で全国9ブロックに支部があり、中国支部は広島市中区役所内にある。本部の理事長は現在、大阪市長、中国支部長は広島市長。
 6月17日、福山市役所管財課車両係の事務所で、同市人権推進課職員が起こした自動車事故の処理について、管財課職員2人、人権課職員2人にたいして、指導していた共済会中国支部査定調査役Yが、つぎの発言をした。
 Y 「ここだけの話にしてもらわないと困るんですが、私は現在の仕事の前はN火災に勤めていたのですが、そこで東部の(福山の)ほうは『ヨツ』の関係が多いから、そういう人に、治療を無理強いされるようなことがあってはいけないということを聞いたことがあるので、気をつけて下さい」
 市職員 「あなたはそうしたことを経験したことがあるんですか。あるいは、あなたの同僚の方が経験したことですか」
 Y 「いいえ、そういうことは聞いたことがありませんし、私自身も経験したことはありません」
 市職員 「『ヨツ』という言葉は明らかな差別発言ですよ」
 Y 「申し訳ありません」

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