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犯人から「通告文」
正体明かし謝罪が必要
連続差別ハガキ

「解放新聞」(2003.12.22-2150)

 

 東京都連をはじめ、全国に差別ハガキなどを送りつけていた犯人から、12月9日、東京都連に「多くの人びとを傷つけてしまったことを心から反省しています…二度としないと再度心に固くちかいます。ごめんなさい」などとした手紙が送りつけられてきた。都連では、「犯人が本当に反省しているのなら、自分の正体を明らかにし、私たちの前に現れて謝罪をした上で、『自首』すべき」とする見解をだした。
 手紙はB5用紙いっぱいに書かれたもので、12月3日づけの毎日新聞の記事を見てショックを受けたとし、その日の真相報告集会のことにもふれ、「部落関係者・団体へのいたずらや手紙はもう止めようと。私はここに宣言します」などと書かれている。しかし、「心から反省し…もう二度とこうした行為をしないということがせめてもの救済ではないか」などとしており、心からの謝罪や反省はうかがえない。

一方的な「終結宣言」届く
大きな社会問題化に動転
連続差別ハガキ事件の犯人から手紙

 この差別事件は、今年5月に「えた非人は、殺さないといけない」などと被差別部落民への憎悪をむき出しにし、東京、大阪、兵庫、広島、高知、福岡など全国の各都府県連や同盟員宅に、筆跡から同一犯とみられる差別封書・ハガキが送りつけられたもの。

差別八ガキは全国220件

 現在までに確認されている件数は、封書・ハガキのほかに、名前を詐称し書籍をはじめ、教材や化粧品、お茶などの物品の送り付けもあった。それも含めると全国各地で220件におよぶ「大量差別ハガキ事件」で、その内、およそ半分の125件が東京都内各地の同盟員宅などに送り付けられた。消印は渋谷郵便局が圧倒的に多い。
 東京都連は、こうした一連の差別ハガキにたいして「生命と生活」が脅かされるとして、東京法務局に人権救済の交渉をもつとともに、浅草署に告訴、捜査も開始された。さらに12月3日には都内で「連続・大量差別はがき事件の真相報告集会」をもち、事件の徹底糾明を確認した。(本紙前号既報)
 こうした都連の動きに動転した犯人が「えらいことをしてしまったと気がつき」と9日、都連と毎日新聞社に、今度は「反省」の手紙を送り付けてきた。差出人の名前はなし。
 都連は、この「反省」の手紙にたいして翌10日に「見解」(別掲)を発表し、あくまでも徹底糾明の姿勢で犯人を追いつめ、心からの謝罪と反省をさせるまで闘っていく決意を明らかにした。

あくまでも徹底糾明おこなう

【見解】

部落解放同盟東京都連合会

 早速犯人から反応があり、長文の手紙が送られてきました。その内容は「謝罪」と「反省」を述べ、「今後はもう行いません」との終結宣言となっていますが、決して了解できる内容のものではありません。
 まず何よりも、犯人が本当に反省しているとは思えないからです。犯人はこの「謝罪」の動機を「今年やった悪事は今年のうちに反省して心を入れかえるにはちょうどいい時期でした」
 「みなさんにあやまってキレイな心に入れ変えて新年をむかえようと考えました」などと述べています。新聞やテレビでこの事件が大きく取り上げられ、予想以上の反応があったこと、さらに、告訴が行われていて逮捕される恐れがあること、などを知って、危機感を持ったのだと思われますが、このような身勝手な言い訳を認めるわけにはいきません。
 犯人が本当に反省しているのなら、自分の正体を明らかにし、私たちの前に現れて謝罪をした上で、「自首」すべきです。
 私たちは今後も犯人への追及を続けます。こうした悪質な差別事件をくり返さないためにも、犯人に心からの謝罪と反省をさせるまで、あらゆる方法を使って犯人を追い詰めて行きたいと決意しています。

2003年12月10日


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