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日共ビラで悪感情と
騎西町の会社で差別発言

「解放新聞」(2004.12.13-2198)

 

 【埼玉支局】騎西町にある日立アロイ(株)の社員が、会社の休憩室で「同和がいるので合併できない」と発言した差別事件(2190号既報)の糾弾会が、11月8日、加須市役所でひらかれた。

糾弾会で謝罪

 差別発言(事件概要は別項)をおこなったのは、秋田県出身で加須市に住む60歳の男性Aで、会社は今年7月に定年退職している。
 糾弾会には、高瀬一太郎・加須市長、小沼拓三・騎西町助役ら両市町の職員ら32人が、また日立アロイ(株)からは伊藤和彦・社長ら5人が出席した。県連からは、片岡明幸・委員長ら82人が参加した。
 Aは、「加須市に引越ししてくるまでは同和問題について知らなかった。会社の研修で騎西町に同和地区があることを知り、同僚との飲み会で『気を付けろ、変なことはいうな』といわれていた」と語り、「20年間1度も研修に出たことがなかった」とのべた。
 また、「同和地区に悪い感情をもつようになったのはなぜか」という問いにAは「ある政党のビラを見てそう思うようになった。ビラに『同和の人は、仕事もせずに国から金をもらってブラブラしている』と書いてあったので、ひどい連中だとずっと思っていた」とのべ、日本共産党の反解放同盟キャンペーンの弊害を浮き彫りにした。
 Aは、「今回指摘をうけたあと、市の人権教育講座で学習するなかで、自分が偏見をもっていたことに気づき、深く傷つけてしまったと反省している」と謝罪し、「これからは差別を指摘し、許さない生き方をしていきたい」と語った。
 日立アロイ(株)の伊藤社長も「重大な問題と受け止め、今後は自らが責任者となって社員研修にとりくみたい」とのべた。
 県連は、騎西町と加須市にたいしては、この事件を教訓化し啓発の見直しと、企業と連携を図りながら啓発活動にとりくむよう要請した。
 最後にBさんが、「これまでも何回か差別があったががまんしてきた。しかし、今回はがまんできずに訴えた。私のためにこんなに大勢のみなさんが参加いただき、心からお礼申し上げます」と話した。

事件の概要
 4月29日、日立アロイ(株)で発生。休憩室で市町村合併が話題になり、Aが「同和がいるので、騎西と加須は合併できない」と発言。また休憩室を出るときも「会社の裏も、同和がいっぱいだ」と吐き捨てるように発言して立ち去った。
 この発言に憤慨したBさんは、会社の総務にこの事実を報告し、社員が同和問題を正しく理解するために教育をおこなってほしいと要請した事件。
 8月26日、県連は、この会社で事実調査をおこなった。

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