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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

全国大会に向け運動
方針案を論議しよう
「解放新聞」(2005.2.14-2206)

 第62回全国大会に向けて、2005年度一般運動方針第一次草案を公表した。すでに第4回中央委員会でも論議されてきたが、この草案をもとに、各地の各級機関で論議をおこない、その成果を全国大会にもち寄ろう。
 今年の運動方針案の内容をもっとも典型的に示すのが、大会スローガン案である。ここでは、《小泉政権の「戦争への危険な道」・「弱者切り捨て路線」と対峙し、「人権の法制度」の総合的確立と「人権侵害救済法」の早期制定をかちとり、部落解放への大道を打ち固めよう!》と書き込まれている。
 今日の小泉政権が突きすすんでいるのが、戦争への道である。自衛隊のなりふり構わぬイラク派兵の強行、一国絶対主義を掲げるアメリカへの追従、戦争のための憲法改悪と有事立法作り、国民への監視・管理の強化など、戦争が今すぐにでもできる国家作りがおこなわれている。こうした時代は、歴史が示すように、被差別者・社会的弱者にたいする排外・差別が強化される。
 また、「構造改革」の名のもとで小泉政権がすすめる政策は、弱者はより弱者に、強者はより強者になる政策だ。階級間、階層間の格差が極端に開いたアメリカ型社会が目標とされ、景気の悪化のなかで「弱者切り捨て路線」が鮮明にされてきている。
 まさに、差別事件は増加・悪質化し、「癒しとしての差別」ともいうべき大量・連続差別投書事件などが生み出される背景として、こうした時代の雰囲気と現実が存在する。差別糾弾闘争を強化することが重要だ。

 こうしたなかで「部落解放基本法」闘争20年のとりくみのなかで、求め続けてきているものの一つが、いま焦点となっている「人権侵害救済法」だ。
 1月21日からはじまった通常国会では、施政方針演説で小泉首相がはじめて人権問題にふれ、「引き続き人権救済に関する制度について、検討をすすめます」と決意をのべた。これは、この間、各地実行委員会をはじめ、さまざまなとりくみを重ねてきた各方面の努カの成果でもある。そして、一連の与野党の動きを受けて、与党「人権問題等に関する懇話会」が2月3日に、「人権擁護法案」をマスコミ規制の凍結など、一部手直しして再提案し、通常国会での成立をめざすことを決めた。
 人権救済のための機関を作ることは、部落問題だけでなく、多くの被差別、被抑圧の状況におかれている人びとに希望と勇気を与えることにつながる。パリ原則をふまえたよりよい人権委員会の創設へ、人権が確立される社会をめざして奮闘することが、いま私たちに求められている歴史的使命なのだ。
 今国会での制定の実現をバネに、日本での人権政策の確立へ大きく飛躍していこう。

 狭山再審闘争も、大きな山場を迎えている。3~5月にかけての狭山弁護団による新証拠―補充審提出で石川きんの無実はさらに明らかにされる。
 一連の石川無実を示す証拠などを総学習でみずからのものとし、一人ひとりの同盟員が確信をもって多くの人びとに狭山の真相を広め、再審実現の声を大きくしていこう。
 3月3、4日に東京でひらく第62回全国大会へ全国各地のさまざまな声をもちより、よりよい運動方針を作り上げ、05年を部落完全解放への展望を大きく切りひらくものとしていこう。

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