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部落問題資料室
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敗戦60年をふまえ反戦
平和への行動を起こそう
「解放新聞」(2005.3.7-2209)

 今年は、敗戦から60年の年にあたる。戦後生まれが多数になり、戦争体験の風化がいわれているが、現在の社会状況が戦前と似ているというお年寄りもいる。戦争はいきなりはじまるのではなく、国家間の権益争いなどによる緊張の高まりとともに、国内では人権抑圧や民主主義の破壊、ナショナリズムの扇動がある。そのことをふまえ、いまが新たな戦前とならないよう、気持ちをひきしめてとりくまなければならない。
 最近の政治・社会状況はきわめて危険な方向に向かっている。経済の停滞や深刻な雇用情勢、社会の二極化による多くの庶民の貧困化、福祉の後退と犯罪の多発など、社会の荒廃がすすみ、社会不安や不満が鬱積しており、それをナショナリズムや国権主義の方向へ向けていこうという動きが強まっている。

 現在、自民党内で改憲論議がすすめられているが、「愛国心」「国防義務」や「公共心」「奉仕」を強調し、個人の尊厳や権利を否定する意見が多数だされ、全体として戦前回帰の復古調が目立っている。
 また今日、戸別ビラ入れへの弾圧に見られるように、平和運動などへの弾圧が強化されるとともに、NHK問題に示されるようにメディアへの介入・規制によって国家に都合のよい世論を形成し、民主主義を破壊しようという動きも目立っている。
 教育現場では、「日の丸・君が代」強制が目立ち、侵略戦争への反省を「自虐的」などと批判する最悪の歴史教科書さえ、一部で採用されはじめた。さらに、戦争ができる体制を教育現場から固めようと「教育基本法」改悪の動きが強まっている。
 小泉政権は、これまで政府が主張してきた「専守防衛」さえふみにじり、憲法違反のイラク派兵を強行した。そして今度は、米軍と一体になって海外で戦争ができるよう、集団的自衛権や武力行使容認を憲法に盛り込もうとしている。
 これら平和を脅かし人権・民主主義を抑圧する動きは、いまなら止められる。平和を求める人びととカをあわせ、一つひとつの行動を積み重ねていくことが求められている。

 今年の子ども会集会は、被爆60周年の原水爆禁止大会開催中の8月5~6日にかけて広島で開催する。子ども会集会では、戦争の悲惨さ、平和をつくる行動の大切さを伝えていきたい。そして、各地の子ども会などでも平和へのとりくみを企画してほしい。
 また大人も、「平和なくして人権なし、人権なくして平和なし」を肝に銘じ、戦争放棄、主権在民、基本的人権の尊重を柱とする平和憲法の意義と、今日の危機的状況を確認する必要がある。敗戦後60年をむかえる今年こそ、小泉政権の「戦争への危険な道」を断ち切るため、行動を起こしていくことを改めてよびかけたい。

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