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部落問題資料室
NEWS & 主張
土地そのものも差別の対象
支える社会意識の解消へ
「解放新聞」(2006.01.30-2254)

 【滋賀支局】「野洲町の〇〇番地は同和地区かどうか教えてほしい」―大津市のSハウジングによる不動産物件差別問い合わせ事件(2189号2211号既報)の糾弾学習会を、昨年11月22日、大津市役所別館会議室でひらき、H社長をはじめ滋賀県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会滋賀県本部と滋賀県、大津市、野洲市など関係行政、滋賀県人権センターが出席、県連と地元の和田支部が追及し、1年4か月にわたる同事件を集約した。今後は、それぞれが提出した「見解」の具体化に向けてとりくむことになった。

糾弾学習会で集約

 糾弾学習会には、270人が参加、県連の山口敏樹・副委員長が、「なぜ、このような事件が多発するのか、掘り下げて差別解消の方向を見いださなければならない」とあいさつした。
 「糾弾学習要綱」の提起を県連の丸千悟・書記次長がおこない、「部落差別がそこに住む人だけではなく、土地そのものも差別の対象とされ、排除・忌避される結果、土地そのものの価値が不当に低位に置かれている。全国的な流れのなかで発生した差別事件であり、不動産売買の利害に差別意識がからみ、それを支えている社会意識としての部落差別をどのように解消していくかが問われている」と事件の問題性と背景をのべ、H社長、宅建協会・不動産協会、行政にたいして具体的なとりくみを要請した。
 この提起を受けて、それぞれが「見解書」を発表したが、H社長の反省と決意表明を除けば、①事件の概要②要因と背景③問題点、ほほほ共通した認識にたっているが、④今後のとりくみについては具体策に乏しく、また甘さが目立ったりしたため、「宅建協会・不動産協会は同和・人権問題についての声明を会員事務所に張るなど具体的な活動を早急にやってほしい」「大津市は同和・人権行政を市政の基本におかなければ、差別行政のそしりをまぬがれない」など、多くの批判的提言が出された。
 見解書の中身の具体化がこれからの課題だが、差別をなくそうという共通認識を確認して糾弾学習会を終えた。
Sハウジングによる不動産物件差別問い合わせ事件とは
この事件は、04年7月16日、野洲町にある不動産物件を購入した大津市内の宅地建物取引業SハウジングのH社長が、この不動産売買での重要事項説明書で説明することを理由に、その物件の所在地が部落であるかどうかを、野洲町人権施策推進課に電話で問い合わせをおこなったもの。この日の糾弾学習会は、これまで3回の確認会をへてひらかれた。

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