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部落問題資料室
NEWS & 主張
「人権侵害救済法」の今国会制定を
日常活動活性化し組織強化も
第63回全国大会
「解放新聞」(2006.03.13-2260)

 部落解放同盟第63回全国大会を3月3~5日、束京・九段会館を主会場にひらき、代議員830人、中央役員l10人、あわせて940人が参加した。大会では、日本での人権法制度確立の一環としてある「人権侵害救済法」の今国会制定をめざすためにも、鳥取県での「人権侵害救済条例」早期施行を求める闘いを全国のきょうだいが支援し、それぞれの地方でも同様の条例制定、「人権侵害救済法」早期制定を求める議会決議などにとりくみ、地方と中央で闘いをさらに大きくしていく決意を固めた。また、2種類もの新たな「部落地名総鑑」の存在が、行政書士による戸籍謄本などの不正取得事件解明のなかから判明したことから、事実解明をさらにすすめ、全国的な糾弾闘争としてとりくむ方向も決めた。5月に第3次再審請求がおこなわれる狭山闘争でも、事実調べ、再審開始をかちとることを誓い合った。こうした一連のとりくみ、「小泉流改革」のもとでの弱者切り捨て、戦争への危険な道に対峙するためにも、日常活動を活性化し、さらに組織を強化していくことを全体で確認した。

新たな「総鑑」徹底糾弾へ

 第63回大会は松本副委員長の開会あいさつではじまった。全員で解放歌をうたった後、水平社宣言を岸田副委員長が朗読。議長団に木村義之(愛知)、梅本テル子(長崎)さんを選出した。
 中央本部を代表して組坂委員長は、昨年9月の総選挙での松本龍副委員長の当選へのお礼とともに、解放の父、松本治一郎先生没後40年、上杉佐一郎元委員長没後10年の節目の年に、人権の法制度の一環として「人権侵害救済法」の今国会での制定をよぴかけた。また、狭山第3次再審の勝利、戸籍謄本などの不正取得事件やそれに関連して新たに2種類の「部落地名総鑑」が発覚したことで、真相究明が必要、徹底した糾弾闘争をと訴えた。日本が1930年代に似た状況にあるなかで、人権と平和を守り、創造する部落解放同盟の役割を強調した。
 来賓あいさつでは、松浪健四郎・衆議院議員(自民党)、岩永峯一・衆議院議員(自民党)、西博義・衆議院議員(公明党)、仙谷由人・衆議院議員(民主党)、福島みずほ・参議院議員(社民党党首)、高木剛・連合会長、菰田義憲・中央共闘議長、高松秀憲・全同数委員長、中山武敏・狭山事件再審弁護団主任弁護人から祝辞をもらった。
 来賓紹介、福田中執による祝電披露につづき、岡本俊晃・大会運営委員長が大会の成立を宣言。石川一雄、早智子さん夫妻が狭山再審闘争への支援を訴えた。
 1日目の午後からは、報告事項として一般活動報告を谷元書記次長が、財務・会計決算報告を吉田財務委員長が、会計監査報告を小島会計監査委員が、統制委員会報告を高城統制委員長がそれぞれおこなった。
 また、提案事項として一般運動方針案を松岡書記長が、財務会計予算方針案を吉田財務委員長がおこなった。
 2日目は、3分散会会場で運動方針案などの討議とともに、中央執行委員会構成役員の選挙をおこなった。

6代議員が全体討論

 3日目は、前日の討議をもとに各分散会の報告が議長からおこなわれ、全体討論では広島、京都、大阪、福岡、奈良、鳥取の6代議員が①憲法改悪反対②青年部活動と組織化③差別事件へのとりくみ強化④女性の人材育成⑤「人権侵害救済法」制定⑥学校選択の自由化反対、などで意見を出した。
 これらの討議を受けて松岡書記長が本部答弁と集約に立ち、方針案の加筆修正と諸課題について本部の考え方を示した。
 つづいて報告事項、提案事項をすべて賛成多数で採択した。
 大会スローガンを確認した後、古田健二・選挙管理委員長が選挙速報をもとに、役員選挙で中央執行委員会構成役員の選挙結果を報告。組坂委員長が新執行部を代表して、厳しい情勢のなかを輝ける明日へともに闘う決意を示した。
 大会宣言を西島書記次長が提案し、採択。議長団退任あいさつにつづき、大野副委員長が閉会あいさつ。差別裁判うちくだこうを全員でうたった後、岸田副委員長の力強い団結ガンバローで3日間の大会を終えた。


第63・64期中央執行委員会構成役員

中央執行委員長   組坂 繁之
中央執行副委員長  大野 昭則
              松本 龍
              岸田 章子
中央書記長      松岡 徹
中央財務委員長   吉田 勝夫
中央統制委員長   高城 雅毅
中央執行委員
              田川 雅人
              辻本 正教
              村井 信夫
              西島 藤彦
              片岡 明幸
              北口 末広
              赤井 隆史
              谷元 昭信
              藤本 哲史
              和田 堅
              福田登勢子
              原 伸一
              吉岡 正博
              岡田 健悟


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