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部落問題資料室
NEWS & 主張
「○○もエタ非人じゃないか」
他人の名前をかたり差別投書
「解放新聞」(2006.08.14-2281)
 【埼玉支局】「日本ハムの○○(選手名)もエタ非人じゃないか」――埼玉県上里町在住者の個人名をかたった差別手紙が、(有)横浜市体育協会など数か所に郵送される事件が起き、県連が調査をはじめた。

横浜市体育協会など数か所へ送りつける

 横浜市体育協会に6月1日に届いた差別手紙は、「日本のスポーツはヤクザである」とタイトルが付けられ、「体育会系のやつらは、何の知性も理性もないのが現実である」とか、「世の中は、スポーツによって国民は馬鹿になるばかり」など、スポーツ界を批判する文章が書き連らねられている。そして文中に「日本ハムの○○(選手名)もエタ非人じゃあないか」との差別的な表現が書かれている。
 この手紙の差出人は、児玉郡上里町に実在するAさんとなっているが、封筒の差出人住所は、上里町役場の住所が使われている。
 部落解放同盟神奈川県連からの連絡で、この手紙の存在を知った県連は、7月3日に町田久・県連副委員長が、上里町役場の担当職員とともにAさんを訪問し、事情を聞いた。
 Aさんは、「最近、自分の名前をかたって、右翼団体や宗教団体、個人などに挑発的な手紙が出され、それらの団体から抗議され、ひじょうに迷惑している。警察にも相談したが、証拠がないので事件として取り扱えないとのことだ」と話し、「今後も発送される可能性があり、どうしたらよいかと悩んでいる」と不安な気持ちをのべた。
 また、横浜市の体育協会への手紙に関してAさんは、「なぜ、横浜の体育協会なのか、まったく理由がわからない。私とは何の接点もない」と語った。さらに、手紙の住所はAさんの正しい住所であるのに、封筒の差出人住所が役場になっていることに関しても「なぜ役場になっているのか。わからない」と答えた。
 町田副委員長は、「最近、このような誹誇中傷を目的にした匿名の手紙やハガキが急増しており、今回の件もその一つと考えられる。相手を誹誇するやり方は許されない。差出人を特定することは困難であるが、放っておくと、つづく恐れがある。Aさんと連携をはかりながら調査をすすめ、これ以上差別手紙が拡大しないように対策を講じたい」と語った。

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