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部落問題資料室
NEWS & 主張
告発で差別意識に気づけた
綾部市元総務部長差別発言で
「解放新聞」(2006.09.18-2286)
 【京都支局】「部落民は仕事もできんのに……」など、綾部市の元総務部長による差別発言事件(2276号既報)の第1回糾弾会を7月13日、綾部会館でおこない、綾部市職員として38年間で相当な数の研修会を受けてきた元総務部長は、酒を飲んでいたので記憶にないと言い訳したものの、「告発があったから差別意識に気づけた、勉強したことを生かしていきたい」とのべた。

綾部市長が出席

 糾弾会には、野口峯吉・府連副委員長をはじめ綾部、福知山地協などから同盟員40人が参加。元総務部長のほか、綾部市から四方八洲男・市長ら、福知山市から人権推進室長らが出席した。
 糾弾会では、野口副委員長が、「告発者はたいへんな思いで告発した」とのべ、四方市長は、「議論し人権確立のために腹に収まる会になるようにしたい」とのべた。
 差別発言をした元部長は、これまで部落民という言葉を差別用語だとし、その言葉をつかったから差別発言だとのべていた。そのことにたいして、なぜ部落民という言葉が差別用語なのか、差別用語だと思っていた言葉をなぜつかえたのかと糾されて「「部落民」は蔑称であり、見くだす、見おろすという意思があったので差別用語だと思っている。しかし、なぜつかったのかはわからない」とのべ、さらに糾されると「行政のなかで経験してきた偏見が酒を飲んで出た」とのべ、いくら酒の力を借りて発言したこととはいえ、普段からもっている差別意識のあらわれであることを認めた。
 また、綾部市職員として38年間で何を学んだのかとの問いにたいしては、「研修では、差別の事例も聞いたが、感情移入できるほど身近には聞いてない」と答え、福知山市職員2人からの告発については「差別意識を気づかせてくれなかったら一生、差別者になっていた、感謝している」とのべた。
 最後に、野口副委員長が、「部落民の1人ひとりの思いをぶつけ、川の水をザルですくうような気持ちで糾弾をしている」と訴えた。そして、元部長は、「今後も勉強したことを生かし、努力していきたい」とのべ、四方市長は、「元部長が材料を提供してくれた。彼を隊列に組み込み、やっていきたい」と決意をのべた。

事件の概要
 1月26日午後9時30分ごろ、福知山市職員2人が別べつにお好み焼き屋に立ち寄ったところ、顔見知りの元総務部長と会う。元部長はかなり酔っていた。
 そこでの会話のなかで、元部長が、「部落民は仕事もできんのに市役所に入っている」「部落民は別の部屋でカギをかけ、人が入れんようにして、仕事もせん」などと話した、というもの。

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