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部落問題資料室
NEWS & 主張
職員研修や市民啓発を問う
綾部市元総務部長差別発言で
「解放新聞」(2007.03.05-2309)
 【京都支局】綾部市の元総務部長による差別発言事件(2276号、2286号既報)の第2回糾弾会を昨年12月25日、綾部会館でおこない、職員研修や市民啓発について綾部市や元総務部長の居住する福知山市を糾した。両市は、「克服して前へすすむ」「きちっと研修をやる」とのべた。

差別の現実から学ぶ活動を

 事件は、06年1月26日、綾部市の元総務部長(職員歴38年)が、福知山市のお好み焼き屋で「部落民は仕事もできんのに市役所に入っている」などと差別発言をおこなったもの。これまでの確認会、糾弾会で、元総務部長は、行政のなかで経験してきた偏見が酒を飲んで出たことや、38年間で相当な数を受けた研修は知識としては理解していたが、告発で差別意識に気づけたことをのべ、今後は勉強したことを生かしていきたい、と決意を明らかにしている。
 第2回糾弾会には、大野昭則・府県委員長ら府連3役、綾部地協や福知山地協などから同盟員40人が参加、元総務部長のほか綾部市から松本哲郎・助役ら、福知山市から梶村誠悟・助役らが出席した。
 糾弾会では、職員研修の実施で、職員の意識をどのように把握していたのかを糾したことにたいして、綾部市の松本助役は、「市民に率先しての職責がはたせていない。やれていないことについての掘り下げも不十分で反省している」とのべ、同年3月中に嘱託をふくめた全職員で、この差別発言を材料に討論し、たくさんの意見がだされ、講座や研修には管理職をはじめ一般職員も参加するようにした、とのべた。また、市民啓発も、自治会などを網羅し、市民と協議会をつくってやっているとのべ、所管する生涯学習課長が差別の現実から学ぶ活動をつづけていきたい、地域に入って市民とともにすすめていきたいと答えた。
 福知山市の梶村助役は、「市民啓発ができていなかった。職員が差別の不当性を訴えてやっていかなければならない。特措法の33年間を総括し、とりくむ」とのべた。
 最後に、府連糾弾闘争本部長の野口峯吉・府連副委員長が、「元総務部長は糾弾を通じて差別意識に気づいた。たんに研修、啓発だけでなく差別の現実に学ぶこと。変革のための研修を。みずからを律し、行政を離れてもお互いに人間らしく生きるためにとりくみをしていくように」とまとめた。

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