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部落問題資料室
NEWS & 主張
県教育長に抗議文
面接試験での家族調査に
県立学校職員採用試験での

「解放新聞」(2008.02.18-2357)

 【埼玉支局】親の職業や同居状況などを質問した県立学校実習助手採用試験での就職差別事件(別項)にたいして、県連をはじめ埼玉高等学校教職員組 合、埼玉教職員組合、埼玉県人権教育研究協議会の4団体が12月27日、島村和男・県教育長に抗議文を提出し、教育局県立学校人事課と話し合いをおこな った。

就職差別と指摘

 話し合いで県立学校人事課は、4団体の質問に「意向聴取票は、採用が決まった段階で、勤務先の希望や、親族が教職員であった場合、親族と同じ学校勤務を避けるため、05年から使っている」と答えた。
  4団体側は、「通常、勤務先の希望や家族に県立学校の職員がいるかどうかは、採用が決まった段階でおこなうもの。面接の前に聞く必要はどこにもない」と指摘。そのうえで「県の聴取票には、肝心の家族に県立学校勤務者がいるかどうかの質問事項が入っていない」と批判した。また、「面接の前に配付し、票にもとづいて質問がなされている。事実上、面接の材料にされており、国が禁止してきた就職差別だ」と厳しく批判した。
  今回の就職差別事件にたいして片岡明幸・県連委員長は、「県はこれまで就職差別をなくすために、企業にたいして統一応募書類の使用や、面接時の身元調査にかかわる質問を厳しく禁止してきたが、その県が足下で親の職業や同居状況、きょうだいの学校などを質問した。県は否定しているが、家族関係が不採用の理由とされた節がある。採用は本人の能力、適性、意欲で公正に選考されるべきで、家族は関係ない。真相を徹底的に糾明し、ただしていきたい」とのべた。

県立学校実習助手採用試験での就職差別事件の概要
 埼玉高等学校教職員組合の調査では、07年11月29日におこなわれた県立学校実習助手採用試験の第2次試験(面接)で、県立学校人事課職員が面接前に同居の家族や希望勤務先などを記入する「意向聴取票」を配付して記入させ、面接の最後にこの票をもとに、「母の勤務先はどこか」「妹、弟の学校はどこか」「父と母は、いまはどういう状況なのか」「父はどこに住んでいるのか」「おばきんはどこに住んでいるのか」などを質問した。
  質問された生徒の両親は別居しており、母子家庭だった。予期しない質問に生徒は「母子家庭であることが、合否判定に影響したのではないか」と心配し、進路指導教員に相談した。
  2次試験を受けたのは14人で5人が合格したが、生徒は不合格だった。
  生徒からの訴えにもとづいて埼玉高教組が調査した結果、明らかな就職差別が判明した。

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