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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
決議

 

5.23集会アピール

  51年前のきょう、当時24歳だった石川一雄さんは突然逮捕された。警察は別件逮捕、再逮捕によって1ヵ月におよぶ女子高校生殺害の取調べをおこなった。弁護士や家族との接見を禁止し手錠をかけたままの厳しい取調べが連日続いた。学校にも行けず働いていた石川さんは、字が書けないから脅迫状など書いていないとくりかえし訴えた。しかし、警察は、無実を叫ぶ石川さんに兄を逮捕すると言ってウソの自白に追い込んだ。部落に対する差別意識、差別報道が冤罪の背景にあった。石川さんが無実を叫びつづけて半世紀以上が過ぎた。わたしたちは51年前の冤罪の真相をふりかえり原点にかえって、狭山事件の再審実現にむけた運動をすすめなければならない。

さる3月27日、静岡地裁は、袴田事件の再審開始決定をおこなった。再審開始決定は、有罪の決め手となった証拠について、ねつ造された疑いがあるとし、また、人権を無視した取調べも指摘し、拘置を続けることを「耐え難い不正義」として袴田さんの釈放まで決定した。再審開始決定の大きなカギとなったのは、裁判所があらたにおこなったDNA鑑定や味噌漬け実験、衣類のサイズに関する証拠調べと、裁判所の勧告によって開示された600点もの証拠である。足利事件、布川事件、「東電社員殺害事件」とあいついだ再審無罪と同様に、検察官の持つ証拠の開示をすすめ、弁護側が提出した新証拠について、裁判所が事実調べをおこなうことが、公正な裁判を保障し、無実の人を誤った裁判から救済するために不可欠だということである。

袴田さんは連日、長時間におよぶ取調べで虚偽の自白を強いられ、捜査機関の証拠ねつ造によって犯人にされた。冤罪の作られ方は狭山事件とまったく同じである。狭山弁護団は、粘り強い活動で証拠開示をかちとり、136点の新証拠を提出している。石川さんが逮捕当日に書かされた上申書、犯行に使われた手ぬぐいに関する捜査報告書など、開示された証拠によって、石川さんの無実と捜査の不正をつぎつぎと明らかにしている。先日も証拠開示された取調べ録音テープを分析した心理学鑑定が提出された。これまで提出された新証拠は136点にもおよぶ。しかし、狭山事件では、1974年の東京高裁の有罪判決から40年になろうとしているが、鑑定人の尋問などの事実調べは一度もおこなわれていない。半世紀以上もたったいまでも検察官はいまだにすべての証拠を開示していない。

わたしたちは、石川さんの無実の叫びが半世紀をこえたいまこそ、「袴田さんの再審開始につづけ」「次は狭山だ」を合言葉に、再審実現にむけて全力で闘おう!

きょう、わたしたちは、再審開始決定によって48年ぶりに自由の身となった袴田巌さんを迎え、ともに再審無罪をかちとることを確認しあった。わたしたちは、狭山事件の第3次再審請求で、徹底した証拠開示と事実調べがおこなわれ再審が開始されるよう強く求める。袴田事件の一日も早い再審開始確定―無罪判決、すべての冤罪の再審開始を求める。そして、冤罪根絶にむけて、冤罪者や支援者、司法の民主化を求める運動と連帯し、取調べ可視化や証拠開示の法制化を実現する闘いを全力ですすめる。

映画「SAYAMA」の上映運動をすすめ、一日も早く石川さんの「みえない手錠」をはずすために、狭山事件の再審を実現しよう!

 2014年5月23日

狭山事件の再審を求める市民集会 参加者一同

 

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