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部落問題資料室
NEWS & 主張
朝鮮学校の除外を許さない
4月実施・高校授業料無償化をめぐり

「解放新聞」(2010.05.03-2468)

 鳩山政権は、3月31日、支給対象に外国人学校の生徒も含まれる「高校授業料無償化法案」を参議院本会議で可決し4月1日から施行した。しかし、朝鮮学校だけは朝鮮総連と関係が深く、北朝鮮との国交がないとの理由で除外している。この「無償化除外」については国連の人種差別撤廃委員会が「子どもたちの教育に差別的な影響を及ぼす行為」と勧告。全国各地でも「朝鮮学校の無償化除外反対」の抗議行動がとりくまれた。一万、大阪では、橋下徹・知事がこの問題を煽るかのように朝鮮学校に交付している「私立外国入学校振興補助金」の廃止をにおわす発言をおこなった。
  奈良、大阪のとりくみを報告する。

反差別訴え抗議行動
県連ら有志70人が
  【奈良支局】朝鮮学校の無償化除外に反対の声を上げようと4月2日、県内の外国籍の児童・生徒の教育支援にとりくむNPOや団体をはじめ旧日本軍の慰安婦問題の解決にとりくむ団体、在日コリアンの支援団体などから有志70人が近鉄八木駅北側広場に結集し差別・除外反対の憤りを訴えた。県連も参加した。
  集会参加者は、朝鮮学校だけを政治判断で除外とした鳩山内閣にたいする強い憤り、いまも朝鮮学校の児童・生徒への誹誘中傷が絶えないこと、そして無償化対象除外が差別・偏見の強化・固定化につながることなどを市民に訴えた。
  県連は、「朝鮮学校を無償化の対象から除外することは、国際人権現約自由権規約や子どもの権利条約、人種差別撤廃条約が保障している普通教育を受ける権利、マイノリティがみずからの言語と文化を学ぶ権利を侵害するばかりか、児童・生徒の自尊感情を著しく傷つけてしまいかねない。また、民族排外を是認し助長する風潮を強め、日本人の児童・生徒たちの違いを認め合う、共に生きる社会をつくる態度を損ないかねない」とし、朝鮮学校の無償化除外を許さない世論づりなどの運動を訴えた。

橋本知事発言に抗議
在日への偏見煽る
府連拡大執行委が
  【大阪支局】「在日への偏見を煽るもの」と、府運は3月8日にひらいた第56期第11回府連拡大執行委員会で、「朝鮮学校の授業料無償化に対する見解に強く抗議する」要望書を確認し、大阪府の橋下徹・知事へ郵送した。
  この抗議の要望書は、高校授業料無償化をめぐる朝鮮学校への対応に関して橋下大阪府知事が「拉致という不法行為をおこなっている団体と関係している施設とは、府はお付き合いしない」などと発言し、府が実施する低所得者への私立高校授業料無償化の対象に朝鮮学校を含めるか否かを検討していることが報道されたことにたいして抗議したもの。
  要望書では、知事の発言が、朝鮮学校や在日朝鮮人にたいする偏見を煽る問題発言として抗議するとともに、「生まれ育った地域や国籍などに関係なく、すべての子どもたちが、後期中等教育を無償でうけられるような社会の実現が大切である。大阪に居住する在日朝鮮人をはじめ在日外国人の教育権、学習権や外国にルーツをもつ子どもたちが民族としてのアイデンティの確立を支援する教育を保障することは、この大阪が国際人権都市として住みやすい街として国際的に評価が高まるものになる。国際理解と多文化共生社会を推進する意味でも、知事として冷静で慎重な発言を求める」としている。


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