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部落問題資料室
NEWS & 主張
大阪府調査に「なし」と
気づいた社員がいたのに

「解放新聞」(2010.10.18-2490)

 広告代理店R社との土地差別調査事件に関する事実確認会を9月28日午後、大阪HRCビルでおこなった。
 R社は本社が東京で、大阪に関西支社があり、関西支社の保管されていた調査報告書に7件の差別表記=「地域下位地域」「下位評価エリア」「下位地域」「地域下位地域がらみの校区(学校)」がみつかっている。R社は、09年2月の大阪府連のアンケート調査には無回答、8月の大阪府の調査にも、十分な調査をおこなわないまま、「なし」と回答していた。しかし現実には、03年ごろから、差別表記に気づいていた社員がおり、このなかには部落がふくまれているだろうという認識があったが、調査会社に問題提起をすることもなく、ディベロッパーに提出していた。
 今回、土地差別調査が発覚したのは、ディベロッパーからの情報で、R社からの報告ではなかった。
 R社から確認会に提出された報告書とともに調査報告書の「地図」もだされたが、差別表記がおこなわれている部分のみで、他はすべてマスクで隠されており、計画地さえ判明しないものだった。
 またR社は、提出したディベロッパー名の開示について、クライアント名をだすのは「死活問題」だとして拒否。このため、顧客――ディベロッパー――広告代理店――調査会社と構造的な差別があることを粘り強く説明し、社名の開示についてはもちかえって検討することを約束。地図についても提出し直すことを確認した。
 確認会ではこのほかに、指摘されるまで「大阪府個人情報保護条例」の存在すら知らなかったこと。部落問題の研修は一度もしていなかったこと。企業内公正採用選考人権啓発推進員制度の存在も知らなかったことなど、つぎつぎと問題点が明らかになった。
 R社からは、関西支社長、東京本社のコンプライアンス(法令遵守)担当の取締役など5人が出席。部落解放同盟からは、兵庫県連5人と大阪府連2人が参加した。

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