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部落問題資料室
NEWS & 主張
「えん罪と人権」テーマに
人権セミナーひらき

「解放新聞」(2010.10.18-2490)

 【栃木】県連の栃木市協議会が9月18日、市内の大平文化会館で、「えん罪と人権」をテーマに2部構成で「2010人権セミナー」をひらき、600人が参加した。第1部はジャーナリストの鳥越俊太郎さんが講演。第2部は、鳥越さんと足利事件で無罪となった菅家利和さん、石川一雄さんによるシンポジウム。あとをたたない警察や検察の証拠ねつ造によるえん罪事件の実態や「取り調べ過程の可視化」の必要など、権力犯罪を許さない仕組みづくりなどの問題意識を深めた。
 鳥越さんは、「ジャーナリストから見た日本の人権」と題し、厚労省の村木敦子・元局長にたいする無罪判決から、検察による証拠ねつ造と無理な訴訟指揮によるえん罪の恐怖と司法権力の人権侵害は深刻な問題があらわれていると指摘。代用監獄の問題や取り調べ過程の録音・録画記録をする全面可視化を早急に導入する必要があると訴えた。
 シンポジウムで管家さんは、「任意同行だったが犯人として取り調べられた。なんども違うといっても聞いてもらえなかった。連日の取り調べに恐ろしくなって、私がやったといった」と自白におい込まれる心理過程を語り、「支援者は宝物だ。これからはえん罪で苦しむ人の応援をしていきたい」とのべた。また、3日前に大型自動車免許の再交付を受けたと、免許証をかかげて笑みをうかべた。
 石川さんは、むずかしいことはいらない。検察が隠しもつ全証拠を開示すれば、無実は明らかになる。事実調べをし、再審開始につながる世論の支援を訴えた。
 鳥越さんは、メディアリテラシーを指摘。メディアは事実を報道していても真実を報道しているとは限らない。報道には嘘も混じっている。読み解く力が必要であり、市民は真実を見極める責任がある、とのべた。
 セミナーでは鈴木俊美・栃木市長、栃木市協の川田薫・議長があいさつした。

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