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部落問題資料室
NEWS & 主張
福井県交渉
申込書の記入は6項目に
県内の結婚相談事業問題で

「解放新聞」(2010.11.01-2492)

 【福井】県交渉を10月5日午後、小浜市内の県若狭図書学習センターでおこない、2年越しの課題になっている結婚相談事業にかかわる県内統一結婚相談申込書問題(2467号既報)などで意見交換。県は、全国社会福祉協議会が示している6項目=①名前②生年月日③現住所④本人の職業⑤趣味⑥自己ピーアールに限定すると回答し、相談員200人にも周知徹底するとともに、人権研修にもとりくむことなどの回答をおこなった。これまで県内では統一様式として、家族状況や心身障害などを具体的に記入させ、県も、「結婚という特性上、本人の職業、家族の状況、同居、別居の区分などの記載欄を設けている」と回答していた。

差別発言事件の対応を協議
  福井県交渉は、①「人権教育啓発推進法」にもとづく全市町の人権啓発教育計画の公表②県内で発生している差別発言事件への対応③結婚相談所問題④公正採用選考問題の現状ととりくみ⑤08年実施の県民人権意識調査について⑥事業推進、などを課題にとりくみ、福井県連から山下敬太郎・委員長はじめ40人が、県からは小竹正雄・健康福祉部長、伊藤裏道・嶺南振興局長など35人が出席した。
  ②の差別事件について県は、差別された被害者が事件が公になることに不安と心配を抱えていることを理由に「事件のむずかしさがある」として、とりくみをほとんどすすめてこなかった。
  このため、未阻織の地域で当事者に聞けば、差別問題をいえばいうほど、その地域で生きていきにくい現状のなかで、差別を差別として指摘できる市民の人権感覚を醸成する必要があることや、異体的な事件をとおして啓発活動をすすめないと一般論では成果があがらないこと。被害者本人もけっして「とりくむな」という気持ちではないことなどを重ねて指摘。県も、(本人の意向も)そのとおりだと思う、との認識を示し、しっかりととりくみたいと回答した。
  結婚相談所問題では、県がこれまでの経過を報告。4月の部落解放同盟からの問題提起後、相談事業をおこなっている県婦人福祉協議会とふくい農林水産支援センターに出向き、全社協記入例を示して意見交換。12地区の結婚相談所に相談員に集まってもらい5~8月に説明、申込書の記入は6項目とし、基本的人権を尊重するもので、使いやすい様式を作成中であり、相談員の人権研修にもとりくむことを示した。

人権意識調査のズサンさを指摘
  公正採用選考では、採用試験をうけた生徒全員が記入した「受験報告書」をすべて、公正採用選考関係機関連絡会議に提出し把握。昨年度の違反件数は1911件中131件(県内121、県外10)、違反事業所数は647社中81社(県内74、県外7)が報告された。この件については、労働局まかせにせず県も連携してとりくみをすすめる。違反事例の詳細分析をし研修に活用するよう要請した。
  人権意識調査では、子どもが結婚しようとする相手が同和地区出身の場合に、「反対する」の合計が60%をこえているにもかかわらず「差別意識は着実に解消傾向を示している」と分析されていた。また回収票は800で、20代は3人であり、科学的に調査をおこない、きちんと分析するよう求めた。あわせて、土地差別調査事件にかかわって、国交省による都道府県への調査で、福井県からの宅地建物取引業者への啓発は、まったくおこなっていないとの回答があったことも指摘し、早急なとりくみと調査をおこなうよう、要請した。


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