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部落解放同盟ガイド
見解

 

差別意識利用し扇動

部落解放同盟中央本部

 中央本部は『週刊新潮』 『週刊文春』 (いずれも11月3日号)が橋下徹・前大阪府知事の出生や出自を暴露するなどの、部落差別を温存、助長、煽動する記載内容にたいして抗議文を11月17日付で送付した。全文を掲載する。

『週刊文春』(2011年11月3日号)の掲載記事および
新聞広告に関する抗議文
 私たち部落解放同盟は、部落差別撤廃をはじめ、あらゆる差別問題・人権問題の解決をめざした取り組みをすすめており、各方面の皆様方とも、機会あるごとに真摯な論議をさせていただいているところです。
  さて、今回、『週刊文春』(2011年11月3日号)の「橋下徹 42歳 書かれなかった『血脈』」では、大阪市長選に立候補している橋下徹・前大阪府知事について、「実父は被差別部落で生まれた」「・‥徹の父親らが居ついた先は大阪府八尾市安中地区にある同和地区だった」などと、橋下徹・前大阪府知事の出生だけでなく、本人の家族・親戚などの出自を克明に掲載しています。
  今日、いまだに結婚や就職での差別事件をはじめ、土地差別調査、インターネット上での差別情報の氾濫、戸籍・住民票の不正取得事件などでも明らかなように、部落差別がいまだに温存、助長されているのが日本社会の現状です。今回掲載された記事および新聞広告が「血脈」という見出しに示されているように、本来のマスコミ報道の使命でもある、これまでの橋下徹・前大阪府知事の実績の評価や検証ではなく、出生や出自を暴くことで、読者の関心を集めることが目的で書かれたことは明白であります。現代社会でいまだにマイナスイメージで語られることの多い部落出身であることを認知しながら、そのことを強調するためだけに書かれた今回の記事の掲載および新聞広告は、まさにこれまでの部落問題の解決にむけた取り組みに逆行するものであります。
  私たちは、橋下徹・前大阪府知事の行政手腕やこれまでの実績を決して肯定的に評価するものではありませんが、今回の掲載記事および新聞広告が、部落差別の今日的な実態を全く無視し、個人の出生や出自を暴くなど、橋下徹・前大阪府知事を否定的に描くためだけに部落差別意識を利用し、部落差別を温存、助長、煽動する悪質な内容であることに強く抗議するとともに、貴社の見解を求めます。
『週刊新潮』(2011年11月3日号)の掲載記事および
新聞広告に関する抗議文
 私たち部落解放同盟は、部落差別撤廃をはじめ、あらゆる差別問題・人権問題の解決をめざした取り組みをすすめており、各方面の皆様方とも、機会あるごとに真摯な論議をさせていただいているところです。
  さて、今回、『週刊新潮』(2011年11月3日号)の「『同和』『暴力団』の渦に呑まれた『橋下知事』出生の秘密」の特集記事で、橋下徹・前大阪府知事について、「この土地こそ、橋下知事の父、之峯氏が生まれ育った街。そして江戸時代に起源を持つ、被差別部落が存在する一帯である」などと、『新潮45』に上原善広名で掲載されたルポやインタビューなどをもとにしながら、橋下徹・前大阪府知事の出生だけでなく、本人の家族・親戚などの出自を克明に掲載しています。
  今日、いまだに結婚や就職での差別事件をはじめ、土地差別調査、インターネット上での差別情報の氾濫、戸籍・住民票の不正取得事件などでも明らかなように、部落差別がいまだに温存、助長されているのが日本社会の現状です。今回掲載された記事および新聞広告が「同和」と「暴力団」を結びつけ、「出生の秘密」という煽動的な見出しに示されているように、本来のマスコミ報道の使命でもある、これまでの橋下徹・前大阪府知事の実績の評価や検証ではなく、出生や出自を暴くことで、読者の関心を集めることが目的で書かれたことは明白であります。現代社会でいまだにマイナスイメージで語られることの多い部落出身であることを認知しながら、しかも「暴力団」と結びつけることによって、そのことを強調するためだけに書かれた今回の記事の掲載および新聞広告は、まさにこれまでの部落問題の解決にむけた取り組みに逆行するものであります。
  私たちは、橋下徹・前大阪府知事の行政手腕やこれまでの業績を決して肯定的に評価するものではありませんが、今回の掲載記事および新聞広告が、部落差別の今日的な実態を全く無視し、個人の出生や出自を暴くなど、橋下徹・前大阪府知事を否定的に描くためだけに部落差別意識を利用し、部落差別を温存、助長、煽動する悪質な内容であることに強く抗議するとともに、貴社の見解を求めます。

2011年11月17日
部落解放同盟中央本部
委員長 組坂 繁之

 

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